フルベの唄 アフェル・ボクーム [西アフリカ]
西アフリカの牧畜民フルベ(プール)の音楽って、すごくなごむんですよね。
はじめてフルベの音楽を知ったのは、大学時代に買った
ドイツ・ベーレンライター=ムジカフォンのマリ音楽アンソロジー集の1枚でした。
まるで神楽のような笛の音など、日本の田舎の田園風景が浮かぶようで、
アフリカの音楽とは思えない親しみやすさに、すぐお気に入りのアルバムとなりました。
先月来日したマリのアフェル・ボクームは、横浜のアフリカン・フェスタ(5/16・17)で、
そんなフルベやソンガイ独特のグルーヴあふれるステージを楽しませてくれました。
アフェルは父親がソンガイ人、母親がフルベ人だそうで、
ソンガイに帰属意識があるようですが、ボクームはフルベの姓です。
アフェルはバンバラのメロディーも歌いますが、
やはりフルベのフルフルデ語で歌う5音音階の曲にとても惹かれます。
終演後アフェルが自分で運んできたという新作にサインをしてもらい、
ほんの少しだけ話をしましたが、折り目正しい人柄が印象的でした。
フルベ研究の第一人者である小川了氏の著作などで、
近隣の民族と交わらない誇り高き牧畜民というイメージの強かったフルベですが、
音楽を聴いたり、アフェルのような人に出会うと、
ますますフルベに親しみがわいてしまいます。
アフェル・ボクームの新作『タビタル・プラーク』は、
メタ・カンパニーから6月21日に発売されます。
[LP] "LE MALI DU FLEUVE : LES PEULS" Bärenreiter-Musicaphon BM30L2502 (1970)
[CD] Afel Bocoum & Alkibar "TABITAL PULAAKU" Contre-Jour CJ023 (2009)
2009-06-20 00:11
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