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トロピカル・ダンディなタジ・マハール [北アメリカ]

Music Keeps Me Together.JPG

タジ・マハールの75年作“MUSIC KEEPS ME TOGETHER”がようやくCD化されましたよ。
待ち続けて、待ち続けて、念願のCD化。タジ・マハールの最高傑作です。
「え? 最高傑作は“MUSIC FUH YA’”じゃないの?」という声が聞こえてきそうだけど、
タジがカリブ志向の音楽を完成させたのは本作で、
77年の“MUSIC FUH YA’”は、本作を発展させた作品、とぼくは思ってます。

同時期に聴いていたからかもしれませんが、タジのこの2枚は、
細野晴臣の『泰安洋行』(76年)と『はらいそ』(78年)の印象と、どうもダブるんですね。
アメリカ人の異国趣味を通して日本を捉え直そうとした細野と、
ブルース以前の黒人霊歌やバラッドをカリブから捉え直そうとしたタジ。
両者の視点が、奇しくも「偽トロピカル・ミュージック」という共通の装いをまとったことに加え、
まろやかな音質だった『泰安洋行』と“MUSIC KEEPS ME TOGETHER”が、
『はらいそ』と“MUSIC FUH YA’”ではソリッドな音質に変わった点まで、実によく似ています。

ともあれ“MUSIC KEEPS ME TOGETHER”は、
ブルースともレゲエともつかぬタジのオリジナルな音楽性が開花した、記念碑的な作品といえます。
ぶっちゃけ、タジのヴォーカルはブルースだと味のなさにヘキエキとするんだけど、
このサウンドならアラも目立ちません。
軽やかにホップするサウンドのみずみずしさといったら、30年以上の時を経ているのがウソのよう。
ハンモックに揺られながら聴きたい、ほがらかな無国籍カリビアン・ミュージック。
極楽、行けます。

Taj Mahal "MUSIC KEEPS ME TOGETHER" Wounded Bird WOU3801 (1975)
コメント(3) 

コメント 3

Astral

“MUSIC FUH YA”のCD化から、15年以上、なぜこんなに待たされたのか理解しがたいですが、とまれ祝CD化ですね。
同時CD化の“Satisfied 'n Tickled Too”“Brothers”とあわせて、これからの季節にうってつけです。
by Astral (2009-06-27 20:19) 

t-42

どうもです。
“MUSIC FUH YA”もいいけれど、
わたしもやっぱりこれが最高と思ってます!
といっても、もう20年以上聴いてないんですけど、
CD買って聴いてみることにします。
by t-42 (2009-07-04 19:05) 

bunboni

Astralさん、t-42さん、どうもです。

このアルバムを熱愛している人がまわりにいなかったので、
ファンがおられたこと、心強いかぎりです。
by bunboni (2009-07-04 19:35) 

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