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アインラ・オモウラのナイジェリアEMI録音 [西アフリカ]

アフリカのアーティストで一番好きな人は誰?という質問をよくされるようになり、
最初の頃は返答に困っていたのですが、いまではアインラ・オモウラと答えることにしています。
拙著『ポップ・アフリカ700』のなかでも、それに近い告白をしたので、
やはりフェバリットにあげるなら一番ふさわしいかなと、心に決めたんですね。

ナイジェリアのアパラの大スター、アインラ・オモウラの詳細については、
『ポップ・アフリカ700』を読んでいただくこととして、今日はアインラのナイジェリアEMI録音を
CD化したアイヴォリー・ミュージック全20タイトルのジャケットをお見せしたいと思います。

アインラのCDは05年頃から出回るようになったのですが、
ナイジェリア正規盤の入手がとにかく難しく、
何度、粗製乱造の海賊盤を掴まされたかわかりません。
ナイジェリア人が経営するオンライン・ショップを見つけてはオーダーをしていたのですが、
届いた小包を開けるとカラー・コピーのCD-Rだったり、
アインラと関係ないCDを送りつけられたりなんてことが10回近くは繰り返され、
それでも諦めきれずに、また新しいお店を見つけてはオーダーを続けていたのでした。
そんな果てに、ようやく正規盤を送ってくれるナイジェリア人と知り合えたのですが、
いやー、道のりは長かったですねえ。
いったい何枚のCD-Rを捨てたやら。われながら、執念でしたよ。

そんな執念を燃やしたせいか、普段の自分ならゼッタイにしない完揃いを果たしてしまったので、
せっかくなのでご披露しようかなと思い立ったわけです。

あ、実は、ぼくはコンプリート・コレクションをしない主義なんですね。
コンプリートとは正反対の、代表作数枚に絞って持っていたいという考えの持ち主なんです。
全部集めようとするなんて、批評精神ゼロというか、ひいきの引き倒しというか、
野暮としか思えてならないんですね。
つまんないレコードまで持ってたって、しょうがないじゃないですか。
だから、気に入らないレコードはさっさと処分してしまいます。

レコード・コレクションで大事なのは、
何を持ってるかじゃなく、何を持たないかだと、ぼくは思うんですよ。
まー、こんな考えは、誰からも支持されそうにないですけども。

だもんで、アインラの第1集から第20集が揃ってしまったのには、自分でもアキれてしまいました。
代表作の第19集と第6集がさっさと入手できていれば、こんなことにならなかったんですけども。
コンプリートに集めたアーティストは、ほかにはもちろんなく、
やっぱりアインラ・オモウラは、アフリカのアーティストで一番ぼくが好きな人、
っていうことになるんでしょうねえ。

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Ayinla Omowura and His Apala Group
"VOL.1 : OGUN AJOBO" Ivory Music HNLX(CD)5068 ジャケットの“VOL.9”は誤記
"VOL.2 : AJOJI KI BON’ILE DULE (ORIN OWE)" Ivory Music HNLX(CD)5085
"VOL.3 : CHALLENGE CUP 1972" Ivory Music HNLX(CD)5111
"VOL.4 : ORIN OWO ILE EKO" Ivory Music IVR(CD)009
"VOL.5 : NATIONAL CENSUS 1973" Ivory Music NEMI(CD)0002
"VOL.6 : CHALLENGE CUP 1974" Ivory Music NEMI(CD)0024
"VOL.7 : IRE WOLE DE (OWO UDOJI)" Ivory Music NEMI(CD)0065
"VOL.8 : AKIGBO WO AWON" Ivory Music NEMI(CD)0110
"VOL.9 : LATE GENERAL MURTALA MOHAMMED" Ivory Music NEMI(CD)0170
"VOL.10 : ABODE MECCA" Ivory Music NEMI(CD)0218
"VOL.11 : OWO TUTUN" Ivory Music NEMI(CD)0254 ジャケットの“VOL.Ⅲ”は誤記
"VOL.12 : EMOKAN" Ivory Music NEMI(CD)0313 ジャケットの“VOL.16”は誤記
"VOL.13 : ISE ILE" Ivory Music NEMI(CD)0344
"VOL.14 : EGBO TUNTUN" Ivory Music NEMI(CD)0388
"VOL.15 : ATI D’ARIYO" Ivory Music NEMI(CD)0417
"VOL.16 : EYIN OSE’LU WA" Ivory Music NEMI(CD)0422
"VOL.17 : OMI TUNTUN TIRU" Ivory Music NEMI(CD)0460
"VOL.18 : EBI KIPAGUN D’ALE" Ivory Music NEMI(CD)0480
"VOL.19 : AWA KISE OLODI WON" Ivory Music NEMI(CD)0490
"VOL.20 : 25×40" Ivory Music NEMI(CD)0515
コメント(12) 

コメント 12

ペイ爺

>レコード・コレクションで大事なのは、何を持ってるかじゃなく、何を持たな>いかだと、ぼくは思うんですよ。まー、こんな考えは、誰からも支持されそ>うにないですけども。
bunboni さまだからこそ、言える含蓄のあるお言葉ですね。ただ、処分された音源を「あー、売らなければ良かった!」なんていうご体験は、ありませんか?

by ペイ爺 (2009-09-10 09:52) 

いしだまさたか

>まー、こんな考えは、誰からも支持されそうにないですけども。

支持します!
by いしだまさたか (2009-09-10 10:15) 

bunboni

うわぁ、うっかり本音をもらしたら、反応が次々と!

ペイ爺さま。 鋭いご指摘、すっかりお見通しですね。
そうなんです。でも、処分して良しと一度判断したのだから、買い直しだけはしないのです。
グッとヤセ我慢…って、バカですね。素直じゃないだけなのかも。

いしださま。 ありがとうございます!
by bunboni (2009-09-10 12:31) 

ペイ爺

>処分して良しと一度判断したのだから、買い直しだけはしないのです。
凄いっ!ますます、bunboni さま、respect & reliable です。 このAyinla Omowura and His Apala Group のアルバム、本文でも書かれていますが、どうやらAMAZON あたりでは、とても入手できない難物のようで、おススメの VOL6、19等を入手する方法は‥‥、ありませんよね?(虫が良すぎるゾって怒られちゃいますね。)
by ペイ爺 (2009-09-10 13:26) 

bunboni

>おススメの VOL6、19等を入手する方法は

渋谷にエル・スール・レコードという強い味方がありますよ。
http://www.elsurrecords.com/contents/disc/disc-main.html
現在品切れ中のようですが、お願いすればまたきっと入れてくれると思います。問い合わせてみては。

by bunboni (2009-09-10 13:40) 

ペイ爺

>現在品切れ中のようですが、お願いすればまたきっと入れてくれると思い>ます。問い合わせてみては。

有難うございました。
さっそく問い合わせてみました。
本当に「強い味方」になってくれそうです。
入手できましたら、その感想をお話致します。
by ペイ爺 (2009-09-10 20:37) 

ペイ爺

Ivory Music のCDが、なかなか入手できないのですけれど、中古レコードで“Ayinla Omowura and His Apala GroupVol.5”(NEM(LP)0002)を購入しました。針を落とすとトーキング・ドラムのpolyrhythmがスっゴイ快感だなーと思っていたら、あ このサウンド、既に持ってて愛聴している!、と気付き、その,80年代半ばに買ったレコードをレコード・ラックから取り出して、そのタイトルを見ると“Alhaji Ayinla Omowura Memorial Band Led by :Dauda Omowura‘Nigeria Koni Baje’”(NEMI(LP)0577)とあるではありませんか!

Ivory Music のCDでは、レコードとは異なる編集がされているのでしょうね。このLP2枚のジャケットのデザインとタイトル名は、この20タイトルの中にはないので、どのタイトルでCD化されているのは、わかりません。それともこの0577の方はCD化されていないのでしょうか?
by ペイ爺 (2010-04-19 14:10) 

bunboni

アインラ・オモウラのIvory Music のCDは、すべてEMI盤オリジナルどおり復刻されていて、異なる編集はされていません。
中古レコードで買われたという“Ayinla Omowura and His Apala GroupVol.5”は、"VOL.5 : NATIONAL CENSUS 1973" Ivory Music NEMI(CD)0002と同じです。ジャケットは変えられていますが、オリジナル盤のデザインをもとにしているので、よく見比べていただくとわかると思います。

また、NEMI(LP)0577の方は、アーティスト名義をよくご覧いただくとわかるとおりアインラのアルバムではありません。アインラの死後にアインラの弟ダウダ・オモウラがリリースした、<アインラ・オモウラ・メモリアル・バンド>のアルバムです。ジャケットがアインラとダウダが並んでいるやつですよね。おそらくダウダがアインラのバンド・メンバーを引き継いで出したんでしょう。このCDはぼくも持っておらず、CD化されていないんじゃないかと思います。
by bunboni (2010-04-19 20:26) 

ペイ爺

〉ところで、アインラ・オモウラの例の3枚、入荷したそうですよ。
さっそく「ポップ・アフリカ700」の90頁に掲載されているVol.6,Vol.18,Vol.19,Vol.20の4枚があったので購入しました。いやあー圧巻ですね~。至福の時。繰り返し聴いています。

ジャケットもお菓子かなんかを入れる紙袋って感じで、版ズレ、色ムラ、折れ線位置のズレ、CDにも細かな傷や凹凸があったりなんかして…(笑)同じ作品なのに、配色がまるで異なっていて一瞬「別の作品かな?」って思えるのもありました(笑)
丁度20年ほど前に、アフリカの雑誌に良く接する機会があったのですけれど、変わってないんだな~。こういう所にもアフリカを実感、です(笑)

Ayinla Omowura and His Apala Groupの紡ぎ出す音の洪水には、本当に圧倒されます。

回転している独楽は、静かに佇んでいるように感じられますよね。細野晴臣がナレーションをしている教育TVの「大科学実験」という番組では、「高速で運動している物体が、静止して見える」そのような状況を分かり易く見せる場面が、いろいろな状況の中で繰り返し出て来ます。

Ayinlaの(Memorial Band のレコードも含めて)音楽から受ける印象は、正にそのようなもので、何処を切っても、手を触れれば火傷をしてしまいそうな高密度で高速度な運動体の断面が現れますが、決して金太郎飴のように画一的ではありません。

個々の断面には微妙な差異とズレがあり、燃えあがる様な複雑な表情を感じますけれど、全体の流れに身を任せると、静謐な、涅槃のような印象を受けるのです。その終わり方も唐突のようにも感じられますが、12インチのアナログ・レコードの収録時間、約18分という制限がたまたまあるから、ここで箸を置くといった風情(笑)

Vol.5のレコード”(NEMI(LP)0002)の裏ジャケットにはTalking drumを持った人物の写真がありますが、この人が、天才の誉れも高い、アデウォレ・アラオなのでしょうか?NEMI(LP)0577のジャケットでAyinlaの横で笑っている人と似ているような気もしますが…?それともこちらの方は、弟のDauda、でしょうか…?

by ペイ爺 (2010-05-14 11:39) 

bunboni

すっかりアパラの魅力にとりつかれたご様子。ご同慶の至りです。

アデウォレ・アラオはVOL.2でアインラ・オモウラの隣に座っている人です。
私はVol.5のLPを持っていないので、裏ジャケの写真はわかりませんが、
お持ちのNEMI(LP)0577のジャケでは、左がアデウォレ・アラオで右がダウダ・オモウラです。前回のコメントでアインラと並んでいるように書いてしまいましたが、今LPを取り出してみたら記憶違いでした。すみません。
by bunboni (2010-05-14 20:44) 

Pripri

自作のスピーカーが完成し最初に何を鳴らそうか迷った挙句、アナログ盤のChallenge Cup1974にしました。近所迷惑省みず、爆音で聴くオモウラにクラクラしました。ところで、この他にAyinla Omowura &his Apala groupとだけ書かれている、EMI(LP)009Nを持っていますが、復刻盤CDでは、どれにあたるのでしょうか?
by Pripri (2010-10-16 14:42) 

bunboni

初聴きがアインラ・オモウラとは素晴らしい!
EMI(LP)009N は"VOL.4 : ORIN OWO ILE EKO" ですね。
LPとCD番号の数字は同じです。
by bunboni (2010-10-16 14:59) 

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