秋の青空にドゥグン ガプーラ [東南アジア]
良く晴れた秋の休日、家でのんびりと過ごす午後に聴きたくなるのが、インドネシアは西ジャワ、スンダ地方の音楽、ガムラン・ドゥグンです。そんな時のお決まりの定番は、ガプーラの83年の名作“SANGKALA”。これを聴きながら秋の空をぼけーっと眺めていると、とても心ゆたかな気持ちになれます。
ぼわーんと規則的に鳴らされるゴングの打音に心が落ち着き、ぽこぽことしたクンダンの響きと、高音を響かせるサロンの鉄琴の音色が螺旋となって回転し、そのエンドレスな反復性が穏やかな陶酔を誘います。
このアルバムとの出会いは、20年前に知り合いからもらったカセットがきっかけでした。ジャケットを見て派手なガムラン演奏を想像したら、ひそやかな室内楽が流れ出し、清々しいスリンが奏でるメロディにいっぺんで虜になりました。
ぼけっと聴くにはBGMのように心地よく聴けるドゥグンですが、
昔、気分がめいっていたある夜に聴いていたら、
わけもなく涙が溢れ出して止まらなくなり、自分でも驚いたことがあります。
悲しいとか苦しいとかの感情が高ぶって出る涙ではなく、
もっと魂の奥底を揺さぶられて出る涙で、気持ちは落ち着いているのに、
とめどもなく涙が溢れ出て止まらず、自分でもひどく混乱したことを覚えています。
ドゥグンには精神的に弱ってる人間に棲みつく、憑き物でもいるんじゃないでしょうかねー。
この音楽をヒーリング・ミュージックなどと、軽々しく言うもんじゃないと思いました。
その時の経験から、落ち込んでいる時や夜にはドゥグンを聴かないようにしています。
その後カセットは聴き過ぎてテープが伸びてしまい、まともに演奏してくれなくなったので、
カセットから2曲削ってLP化されたアイコン盤で愛聴し続けていました。
日本でもスープからLPが出たんですけど、B面が別のアルバムのものに差替えられてましたね。
愛着深い“SANGKALA”を完全な形で聴くのはもう不可能とすっかり諦めきっていた頃に、
インドネシアのディアンからCD化された時は、本当に嬉しかったですねー。
今日はドゥグン日和な秋の一日となりそうです。
[カセット] Gapura "SANGKALA" Dian no number (1983)
[LP] E. Koestyara and Group Gapura "SANGKALA" Icon 5501 (1985)
[CD] Gapura "SANGKALA" Dian CD9401
ぼわーんと規則的に鳴らされるゴングの打音に心が落ち着き、ぽこぽことしたクンダンの響きと、高音を響かせるサロンの鉄琴の音色が螺旋となって回転し、そのエンドレスな反復性が穏やかな陶酔を誘います。
このアルバムとの出会いは、20年前に知り合いからもらったカセットがきっかけでした。ジャケットを見て派手なガムラン演奏を想像したら、ひそやかな室内楽が流れ出し、清々しいスリンが奏でるメロディにいっぺんで虜になりました。
ぼけっと聴くにはBGMのように心地よく聴けるドゥグンですが、
昔、気分がめいっていたある夜に聴いていたら、
わけもなく涙が溢れ出して止まらなくなり、自分でも驚いたことがあります。
悲しいとか苦しいとかの感情が高ぶって出る涙ではなく、
もっと魂の奥底を揺さぶられて出る涙で、気持ちは落ち着いているのに、
とめどもなく涙が溢れ出て止まらず、自分でもひどく混乱したことを覚えています。
ドゥグンには精神的に弱ってる人間に棲みつく、憑き物でもいるんじゃないでしょうかねー。
この音楽をヒーリング・ミュージックなどと、軽々しく言うもんじゃないと思いました。
その時の経験から、落ち込んでいる時や夜にはドゥグンを聴かないようにしています。
その後カセットは聴き過ぎてテープが伸びてしまい、まともに演奏してくれなくなったので、
カセットから2曲削ってLP化されたアイコン盤で愛聴し続けていました。
日本でもスープからLPが出たんですけど、B面が別のアルバムのものに差替えられてましたね。
愛着深い“SANGKALA”を完全な形で聴くのはもう不可能とすっかり諦めきっていた頃に、
インドネシアのディアンからCD化された時は、本当に嬉しかったですねー。
今日はドゥグン日和な秋の一日となりそうです。
[カセット] Gapura "SANGKALA" Dian no number (1983)
[LP] E. Koestyara and Group Gapura "SANGKALA" Icon 5501 (1985)
[CD] Gapura "SANGKALA" Dian CD9401
2009-10-24 00:28
コメント(6)
>日本でもスープからLPが出たんですけど、
コレ、愛聴盤です。
>この音楽をヒーリング・ミュージックなどと、軽々しく言うもんじゃないと
…なるほど…。歴史のある音楽って奥が深いですよね…。
by ペイ爺 (2009-10-25 02:06)
先週の日曜日、とてもいい天気でドゥグンがよく似合ったんですけど、今週末は雨になってしまいました。雨だとカチャピ・スリンの方がよく似合うみたいです。
by bunboni (2009-10-25 12:01)
>雨だとカチャピ・スリンの方がよく似合うみたいです。
なるほどっ‥(笑)
グントラ・パスンダンの“ガムラン・ドゥグン・ブラン・ダゴアン”(ライス)お聴きになりましたか?未だ聴いてないんですけれど、この“SANGKALA”の方が、やっぱし良い感じですか?
by ペイ爺 (2009-10-28 16:55)
私もライス盤は未聴です。ガプーラもたくさんカセットを出していますが、ブルハンがスリンを務めていた時期が一番良くて、オルターポップから出ていた『ガムラン・ドゥグン~チャンドラ・ムカール』も愛聴盤です。もう廃盤だと思いますが。ガプーラからブルハンが抜けたあと、エンダン・スカンダールがスリンを務めますが、力量の差は否めません。ほかにもドゥグンでは、L.S.カンチャナ・サリやスアラ・パラヒアンガン・グループなどのCDもありますが、やっぱりブルハンがいた頃のガプーラが最高峰だと思います。
by bunboni (2009-10-28 20:03)
こんなに聞いておられる方がいると知ってとても驚きました。
実は、多分日本で最初の頃にガプーラのカセットを持ち込んだのは、私で、当時は中村とうようさんなど、数少ないインドネシア音楽愛好者間で、カセットを交換して聞いていました。
ガプーラのLPが出たときにも、「ミュージック・マガジン」で批評を書きました。
最近、用があって久しぶりに聞きましたが、やはり引き込まれましたね。
by さすらい日乗 (2010-03-18 19:50)
ガプーラが日本で聴けるようになったのは、指田さんのおかげですね。
先日、指田さんがブログに書かれておられたグサンさんですが、
いまでも新録を出されているほど、お元気です。
85歳の誕生日を記念してアルバムを出された後にも、
ブンガワン・ソロ65周年記念でもアルバムを出されています。
by bunboni (2010-03-18 21:57)