完全復活! マラヴォワ&ラルフ・タマール [カリブ海]
ラルフ・タマールが20年ぶりにマラヴォワへ復帰し、
おととしの10月21日、パリのシガールでコンサートを行いました。
そのライヴはCD2枚組“LA CIGALE 2007”となって昨年リリースされましたが、
ぼくはそのアルバムに手を伸ばすことはできませんでした。
往年のヒット曲を昔のまま再演したところで、昔より良くなるわけがありません。
ましてや今のマラヴォワには、ポロ・ロジーヌがいないんですからね。
かつての黄金時代の演奏を心から愛したからこそ、
ただ懐かしいだけの同窓会アルバムを、ぼくは聴く気になれませんでした。
ぼくが聴きたいのはリユニオン・アルバムではなく、いま現在のマラヴォワの新作です。
その願いが叶い、新作リリースのニュースを聞いたときは、嬉しかったのなんのって!
しかもそのジャケットを見たときは、これはいいぞ!と、確信にも似た予感がしました。
ジャケットには、活気あふれるマルチニークの市場を闊歩する、裸足の女たちが描かれています。
地の黄色と地面におちる小さな影が、焼け付くようなカリブの直射日光の強さを表していて、
マラヴォワの魅力であるクレオールの野性と優美さを、その絵は見事に表現していました。
そしてその予感は、裏切られませんでした。
野性味あふれるヴィデーや優美なビギンなど、
マラヴォワ全盛期のサウンドが蘇っているではありませんか。
GD時代をホーフツとさせるインスト演奏のダンソーンもあでやかです。
メンバーがだいぶ入れ替わったとはいえ、
マラヴォワのリズムを支えるドラムス、ベース、パーカッションの3人は不動。
かつてはファンクぽいリズムを取り入れたこともありましたが、
もはやそんな色目を使うこともありません。
ポロやマノがこの世を去ったあと、マラヴォワの音楽性をしっかり継承してきたのは、
彼ら3人なのかもしれません。
名クルーナー、ラルフ・タマールの歌声も年齢の翳りこそ感じさせるものの、
その味わいはやはり格別です。
こういうマラヴォワが聴きたかった!
正直、ここまでの完全復活を予想していなかっただけに、本作は望外の喜びです。
Malavoi & Ralph Thamar "PÈP LA" Aztec Musique CM2253 (2009)
2009-11-25 06:24
コメント(4)
いや~ファンとしては泣ける文章ですね。
>ポロやマノがこの世を去ったあと、マラヴォワの音楽性をしっかり継承してきたのは、彼ら3人なのかもしれません。
本当にそうななのかもしれませんね。いいこというなぁ~!
まさに新生マラヴォワのスタートなのですね。
>GD時代をホーフツとさせるインスト演奏のダンソーンもあでやかです。
早く聞きたくてウズウズしてます。
by 東京レコ・オヤジ (2009-11-25 21:18)
懐古のライヴ盤にはダメ出ししてしまいましたが、新作はほんっと!すばらしいです。入荷即買い!です。
by bunboni (2009-11-25 21:40)
新譜 « Pèp la» のプロモーションツアーの一環として、
明日から3夜連続で、パリの老舗ライブハウス New Morningで
マラヴォワのライブがあります!(12月4・5・6)
その後の日程としては、
10日 マルセイユ Espace Julien
11日 リヨン Salle du KAO (NINKASI KAO)
13日 マルチニーク FETE DU RHUM A SAINTE-MARIE
あとは、12月7日にRFI(Radio France International)にて生ライブが
実況されますので ネットラジオ等で聴いてみてください。
番組名は "Plein Sud" フランス時間の20hから開始です。
by isassama (2009-12-03 17:06)
貴重な情報ありがとうございます!
ラルフ・タマールのいるマラヴォワ、観たいなぁ。
89年の来日は、ラルフ・タマールのいないマラヴォワでしたからねえ。
また日本に来てくれないかなー。心あるプロモーターさん、ぜひ呼んでください!
by bunboni (2009-12-03 20:36)