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カート・ローゼンウィンケル@新宿ピットイン [北アメリカ]

20100313 Shinjuku Pit Inn.JPG    Kurt Rosenwinkel.jpg

最近のジャズ・ギタリストでお気に入りのカート・ローゼンウィンケルが来日しました。
お気に入りったって、去年ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ2枚組を聴いたばかりなので、
にわかファンもいいとこですけど。
昨年レベッカ・マーティンのバックでも来ていたようですが、
今回は自身のトリオによる来日で、ハコも新宿ピットインということに個人的好感大。
で、観てきましたよ、13日土曜日のライヴ。

ヴィレッジ・ヴァンガードのライヴとは異なる鍵盤と管抜きのトリオ編成で、
セロニアス・モンク、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、ジョン・コルトレーンなど
ジャズ・ジャイアンツの曲を、途中休憩挟んでたっぷりと3時間。

フォービートのスタンダードを演奏するトリオなので、
自作曲中心のヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴとは違ってエフェクトは控え目、
ソロの組み立て方や構成も変えていて、ギター表現の幅の広さに感心しました。
16分音符の長いラインを中心に、
時に32分音符の高速ラインを織り込んで淀みなく弾くばかりでなく、
コード・ソロにスイッチして、メロディ・ノートを際立たせて延々と弾きまくる。
いやあ、すんごい人ですねえ。
とんでもない音の飛び方をしたり、技巧的なフレージングでソロを組み立てるのが得意なようで、
“Ruby My Dear” “Reflections”でのプレイが圧巻でした。
モンクのナンバーと相性がいいみたい。

アタックを強調しないギター・サウンドは、
オルタネイト・ピッキングを基本とするスタイルと良く調和していましたね。
サウンドがデリケートなので、高速弾きでもガンガン弾いてるという感じがぜんぜんしません。
音の強弱のコントロールがバツグンに上手くて、トリッキーな要素はまるでなし。
真面目な人なんだろうなあと思わせます。
いわゆるバークリーにいた優等生みたいな感じもしますが、
この人に関しては、そんなイヤミや悪口を言う気にはなりません。
むしろその真面目さというか、ギター道を究めんとする姿勢に好感を持ちました。

静かな熱狂というんでしょうか。後ろ半分全部が立見で超満員だった会場は、
演奏の間じゅう、固唾を呑んでカートの指先に集中し、曲が終わると好演を称える拍手と、
ため息のような「すげえ」「ヤバい」のつぶやきがあちらこちらから洩れていました。
あんな満員の新宿ピットインも、久しぶりに見た気がします。

Kurt Rosenwinkel Group "THE REMEDY" ArtistShare AS0077 (2008)
コメント(2) 

コメント 2

sekiguchi

Kurt Rosenwinkel ~
とても気になっていましたが、そういう感じなんですね。
オーソドックスなジャズでそこまで印象深い人って最近には珍しいですね。ちょっとBirelli Lagreneを想像しちゃいましたが。
是非ヴァンガード盤を聞いてみたいと思います。
by sekiguchi (2010-03-15 10:35) 

bunboni

ニュー・ギター・ヒーロー!みたいな感じの人でしたよ。
ギター小僧(ところどころ彼女同伴)のお客さんがイッパイいましたもの。
パット・マルティーノあたりが好きなぼくには、ど・ストライクな人です。
by bunboni (2010-03-15 12:28) 

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