スリナムの女偉丈夫 マー=エス、アン・ゴエダール [南アメリカ]
以前スリナムのCDを予備知識なく、あてずっぽうで買った中に、
マー=エスというお婆さんのCDがありました。
このお婆さんがどういう人なのかもわからないまま、そのCDをすごく気に入っていたのですが
前回話題にしたDVD "IKO - KING OF KASEKO"に、
アフリカ系スリナム音楽の伝統を継承する歌手としてマー=エスが登場し、
あー、やっぱり有名な人だったんだ、と納得したのでした。
マー=エスのCDは全編コーラスとのコール・アンド・レスポンスによる歌で、
一部パーカッションが伴奏する曲もありますが、無伴奏歌が大半。
パーカッションが加わると、とたんにアフロ色が濃厚になるんですけれど、
無伴奏歌でバックのコーラスがハミングする曲では、教会の賛美歌の影響も感じられて、
アフリカ系の伝統ばかりをひいているのでもなさそうな気がします。
DVDを観るとマー=エスの肌は明るめで、黒人ではなくクレオールなのでしょう。
生まれたのは1926年8月1日というから、CDの録音時すでに76歳。
老いを感じさせない張りのある声でソウルフルに歌っていて、
そのキリッとした歌いぶりに華があります。
ちょうどコロンビアのトトー・ラ・モンポシーナと同じ立ち位置にいる人なのかもしれません。
あ、でもトトーを引き合いに出すなら、
スリナムにはもっとトトーそっくりなアン・ゴエダールがいますね。
アン・ゴエダールもパーカッション陣をバックに、コーラスとコール・アンド・レスポンスで歌います。
トトーが好きな人なら、ぜったい聴いておくべき人ですね。
Ma-Es "MI NA SINGI-MAN" NAKS CDS013 (2002)
Anne Goedhart "BIGI BUSI" no label MFK8614 (1999)
Anne Goedhart "LIBA MAMA" no label MH9-2001 (2001)
2010-04-08 06:19
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