砂漠の交差点 タミクレスト [西アフリカ]
またひとつ、新しい砂漠のブルース・バンドが登場しました。
タミクレストとは、タマシェク語で「交差点」「団結」「絆」「連携」を意味する言葉とのこと。
同じトゥアレグ同士でも、アルジェリア、ニジェール、マリと
異なる国々からやってきたメンバーによってできたバンドらしいネーミングといえます。
サハラ砂漠の交差点で出会ったトゥアレグの人々が、
キャンプファイアを囲みながら、歌に興じる姿が目に浮かぶようじゃありませんか。
いうまでもなく、ティナリウェンのフォロワーなわけですが、
ティナリウェンよりキビキビとしたロックぽいビートが前に出ているのは、若さゆえでしょうか。
メリハリの利いたサウンドに、華やかな女声のユーユーもにぎにぎしく響き渡ります。
リーダーのウスマン・アグ・モサが書く曲もヴァラエティがあって、才能を感じさせます。
さっと録音して一丁あがり的な作品ではなく、
ベースやユーユーには丁寧なミックスが施されており、
アルバムとしてのクオリティが高められています。
乱発されるデザート・ブルースものに、最近いささか食傷気味でもあったんですけど、
しっかりとした仕上がりは聴きごたえ十分で、すっかり満足しました。
とりわけこのアルバムのジャケットの良さが光りますね。
シブイ紫色のギターはハンド・メイドなんでしょうか。
ピックガードのキュートなロゴやお星さまが、これまたすんばらしいデザイン感覚で、
日本女子が乱発する「カワイイ」とほぼ同じセンスなのには、驚愕です。
トゥアレグのレベル・ミュージックと日本の女子に共通点があるとは思えませんけど。
Tamikrest "ADAGH" Glitterhouse GRCD703 (2010)
2010-05-26 00:17
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