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神様のおくりもの セプテート・ナシォナール

SIN RUMBA NO-HAY SON.jpg

セプテート・ナシォナールの新作、もう聴かれましたか?
ライスからも『ルンバがなければソンはない!』のタイトルでリリースされましたが、
キューバ音楽ファンにとってはたまらない、それはそれは胸をすく快作です。
今年は春先にセプテート・アバネーロの結成90年作がリリースされ、
これでソンの二大名門楽団の新作が出揃ったというわけですね。

アバネーロがかつての泥臭さを懐古するかのような仕上がりだったのに対し、
ナシォナールはかなり現代的なソンの感覚が強く、
熱唱型のエウヘニオ・ロドリゲス “ラスパ” がバンド全体をぐいぐいと引っ張り、
スピーディーでキレのよいサウンドは、アダルベルト・アルバーレスに近いといえます。

いずれにせよ、イグナシオ・ピニェイロや
カルロス・エンバーレがいた時代のナシォナールとは、
まったく感覚の異なるサウンドとなっているわけです。
そこで、思わずかつての大傑作“SONES CUBANOS” にも手が伸び、
久しぶりに聴き返してしまったら、またまた目頭が熱くなってしまいました。

いやー、やっぱりこのアルバムの黒光りしたエレガントさは、唯一無二ですね。
だからこそ、ソンの最高傑作として名高いアルバムなわけですけど、
何度聴いても、はじめて聴いた時と変わらない感動が鮮やかに蘇ります。

カルロス・エンバーレのノドを締めた発声と、
そのエンバーレにコントラカントで絡んでくる
セカンド・ヴォーカルとの絶妙なコンビネーション。
トレスがどっしりと重厚なリズムを打ち出し、
濃厚なサボールがこんこんと泉のように湧き出る、
これほどキューバ音楽の深いコクを味わえるアルバムは、他にありません。

Sones Cubanos.JPG

多くのキューバ音楽ファンがシーコ盤で愛聴してきたこのアルバムに、
オリジナル盤の存在があることを知った時は、それはビックリしたものです。
エル・スール・レコーズの原田さんが8年前にキューバへレコード買い付けした時に、
オリジナル盤を発見され、ファン騒然の大事件となったのでした。
しかもそのオリジナル盤であるシエラ・マエストラ盤の解説に62年9月の記載があったおかげで、
長年録音年不詳だったこのアルバムが、かつてインタビューでエンバーレが発言したとおり、
62年だったことも判明したのです。

原田さんにオリジナル盤を見せてもらった時は、
シーコ盤の安易なイラスト・ジャケとは大違いの、
風格あるジャケットのたたずまいにウナったものです。
その時は高価な貴重盤をお目にかかれただけで十分満足したのですが、
なんとその6年後に、某オークションであっけなく手に入ってしまったのには、
嬉しさを通り越して、ちょっとボーゼンとしちゃいましたね。

原田さんがシエラ・マエストラ盤を発見して以来、
古いキューバ盤を買い付けるバイヤーたちが、こぞって現地でこのアルバムを掘り出し始め、
ジャケぼろぼろの状態の悪い盤まで、その後ずいぶんとオークションに出るようになりました。
そんなこともあって、当初ぼくが手に入れられるはずもないと思ってた値段も、
あっという間に値崩れをおこし、次第にオークションでの過熱ぶりも冷めていったのでした。
そしてオークションへの出品も珍しくなくなっていた頃のこと、
めちゃくちゃコンディションの良い盤がひょっこりと出たのに誰もビットせず、
野口英世2枚より安い最低価格で、落札できてしまったというわけです。
あまりに拍子抜けというか、「嬉しさを通り越してボーゼン」だったわけですが、
キューバ音楽を長年愛し続けたご褒美に、神様が微笑んでくれたものと、勝手に思っています。

Septeto Nacional. Ignacio Piñeiro "¡SIN RUMBA NO-HAY SON!" World Village 468105 (2010)
[LP] Septeto Nacional De Ignacio Piñeiro "SONES CUBANOS" Sierra Maestra SMLD-P1 (1962)
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コメント 4

アフマリリス

良かったですねぇ !

なんだかここのところ続けてコメントしてしまってます
秋のシンクロでもおこしてしまっているのでしょうか?

因みに私は誤字脱字の名手なんで、よろしく。本書いているのに、ま、その時は気をつけていますが
なので、先日は私自身の名前も間違えていました、笑
by アフマリリス (2010-10-05 21:30) 

bunboni

誤字脱字も芸のうち?
変換まつがいの爆笑ネタなら、ぼくも負けませんよ^^。
by bunboni (2010-10-05 21:56) 

土木作業員

あれは確かにここ十年で最大の事件でした。
そして初めて心技体備わったその資格を持つものしか手にすることが出来ない龍玉のようなレコードがあるのだなぁ~と畏怖を覚えました。
オークションで目にする度、己の資質を問い、辞した次第でその夜は決まって自分の不甲斐なさに深酒したものです。
まだまだ男になる旅の途中。一日も早くbunboniさん、原田さんの様に男を上げる一枚に出会いたいのです。。。
by 土木作業員 (2010-10-09 00:01) 

bunboni

いえ、あの、その、心技体三拍子不揃いの私がゲットできたのは、
別に<その資格>なんぞがあるわけじゃなく、単に運がいいだけです、ハイ。
by bunboni (2010-10-09 00:14) 

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