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ヴァージニアのフィンガー・ピッカー ウィリアム・ムーア [北アメリカ]

RAGTIME BLUES GUITAR.jpg

荻哲さんのブログに、戦前ブルースのラグ系ギタリスト、
ウィリアム・ムーアなんて懐かしい名前が出てきたものだから、耳がぴくんと立っちゃいました。
ブラインド・ブレイクやブラインド・ウィリー・マクテルあたりは有名でも、
ウィリアム・ムーアとなると、よほど戦前ブルースを聞き込んでる人じゃないと、知らないはず。
思わず嬉しくなってシッポ振り振り、高校の頃の思い出をコメントしたら、
「高校生で、こんな音楽のコピーをしていたんですか?」なんて呆れられちゃいました。

ぼくが高校生になって戦前ブルースを聴くようになったのは、
フィンガー・ピッキング・スタイルのギターのコピーに夢中になっていたからです。
ライ・クーダーやステファン・グロスマンのコピーでは飽き足らず、
戦前ブルースのオリジナル演奏にものめり込んで、
ブラインド・ブレイクやブラインド・ボーイ・フラーなど、
イースト・コーストのラグ系ギターを夢中でコピーしたもんです。

でもねー、むずかしいんですよー。
ライ・クーダーが“PARADISE AND LUNCH” でカヴァーした
ブラインド・ブレイクの“Diddie Wa Diddie” なんかも、
一応それらしく弾けるようにはなったんですけど、
ブラインド・ブレイクのような独特のリズム感はとても出せません。
ウィリアム・ムーアの“Old Country Rock” も、事も無げにギターを弾いてるように聞こえますけど、
いざコピーしてみると難易度Sランクもので、とってもじゃないけど歯が立ちませんでした。

そんな思い出もあるもんだから、「ウィリアム・ムーアの“Old Country Rock”」と聞いただけで、
「はいっ! オリジン・ジャズ・ライブラリーの“REALLY! THE COUNTRY BLUES 1927-1933” の
A面2曲目、レコード番号はOJLの2番ですっ!」などといまだにするすると出てきます。
こんな役にも立たない記憶が、いつまでもぼくの脳ミソの記憶容量を塞いでるもんだから、
近頃物覚えは悪いわ、忘れっぽいわのメモリー不足を起こしてて、まー、困ったもんですね。

LP時代はあちこちのレコードに録音がばらばらに収録されていたウィリアム・ムーアですが、
CD時代になってからは、ドキュメントがムーアの録音を8曲まとめてCD化しました。
荻哲さんのブログでも話題に上っていた
“Ragtime Millionaire” “Midnight Blues” も入っています。

ギターのコピーに挫折してからの方が、ますます戦前ブルースにのめりこんだぼくですが、
ムーアの“Old Country Rock” を聴くと、
コピーに悪戦苦闘したあの頃を思い出さずにはおれません。

William (Bill) Moore, Tarter and Gay, Chicken Wilson and Skeeter Hinton, Bayless Rose, Willie Walker and Blind Blake "RAGTIME BLUES GUITAR (1927-1930)" Document DOCD5062
コメント(2) 

コメント 2

ホシナ

確か、Pヴァインからもラグタイムの名作選らしきものが出ていた気がしますけど、ドキュメントのそれは地方の人間にとって20年前ですと入手が困難なシロモノで…と言い訳はせず Blind Blake と Boy Fuller を聴いておけばいいかな…というのが当時の考えでした。 Willie Walker は1曲だけ知っているものの、何ですかこのドキュメントに入っている全録音集を無性に聴いてみたくなりました。

by ホシナ (2010-10-15 12:09) 

bunboni

このドキュメント盤は数曲しか録音を残さなかった人ばかり集めたものなので、
広くおすすめっていうわけにはいきませんが、ブレイクやフラーを十分聴いてる人ならオッケーでしょう。
ウィリー・ウォーカーの3曲も最高ですよ!
by bunboni (2010-10-15 20:32) 

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