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カルトーラのデビュー録音

Native Brazilian Music.jpg

ジャズ評論家の後藤雅洋さんにお招きいただいて、
後藤さんのお店、いーぐるでレコード・コンサートをするのも今度が4回目。
今月30日土曜日のテーマは、「カルトーラとノエール・ローザを偲んで」です。
(ぼくは勝手にレココンとか言ってますけど、お店では「連続講演」と呼んでいます)

今年はカルトーラ没後30年、そしてノエール・ローザ生誕100年にあたるため、
それにちなんだ企画でもあるんですけど、実はこのテーマ、ぼくが考えたのではなく、
4月にショーロの歴史を辿るレココンを行った際、お客さまからいただいたリクエストなんです。

レココン終了後、建部さんとおっしゃる方がいーぐるの掲示板に、
「ショ―ロの会凄く良かった。今度はカルトーラとノエール・ローザをやってもらえば有難いのだが。
是非お願いします」と書き込まれたんですね。
しかもそのお名前のあとに「89歳」と書き込まれていて、驚愕!

レココンの時、すごくお年を召した方がいらしてるなあとは気付いていましたが、
まさかこんなリクエストをいただけるなんて!
89歳の方がネットの掲示板でリクエストされたのもびっくりでしたけど、
おととし亡くなった父と同い年であることに、ジンときました。
なんせ父はぼくを無類の音楽好きにした張本人。
天国の父からリクエストをもらったみたいで、感無量でした。

そんなこともあって今回は力が入り、何度も選曲を練り直して、ばっちり流れを作りましたよ。
カルトーラがハタチそこそこで作曲したサンバから、最晩年の曲までをお聴きいただきます。
なかでも楽しみにしていただきたいのが、カルトーラのデビュー録音。
これを聴いたことのある方って、あんまりいないんじゃないかと思います。

そのデビュー録音が行われたのは、1940年。
なんとブラジルのレコード会社による録音ではなくて、
アメリカのコロンビア・レコードが録音したものです。
なんでまたアメリカ・コロンビアがと思われるでしょうが、
ブラジルを訪れていたクラシック音楽家レオポルド・ストコフスキーが、
アメリカ・コロンビアの依頼でブラジル音楽の録音をすることになったのが事の始まり。
レオポルドは録音にあたり、ブラジルの友人だったエイトール・ヴィラ=ロボスへ相談し、
ヴィラ=ロボスはレオポルドにピシンギーニャを紹介したのです。
その結果、レコーディングはピシンギーニャが仕切り、カルトーラにも声がかかったのでした。

当時カルトーラは、マンゲイラの外にも広い交友関係を持っていて、
作曲者仲間のノエール・ローザほか、ピシンギーニャやヴィラ=ロボスとも付き合っていました。
そんな交流があったからこそ、レコーディングも実現したわけで、
カルトーラはブラジルよりも早く、インターナショナル・デビューしてしまったというわけです。

このレコーディング・プロジェクトは、"NATIVE BRAZILIAN MUSIC"と題した
SP4枚組のアルバム2巻にまとめられ、アメリカで発売されました。
カルトーラが歌った“Quem Me Vê Sorrir” は、第2巻の方に収録されています。
ぼくはこの録音を、87年にブラジルで復刻されたLP(MINC/FNPM MVL033)で初めて耳にし、
その後だいぶ経ってから、オリジナルのアメリカ・コロンビアのSPアルバムを入手しました。

レココンではこのデビュー録音ほか、カルメン・ミランダが歌った曲や、
マンゲイラの最大のライヴァル、ポルテーラの作曲家パウロ・ダ・ポルテーラと共作した曲など、
若き日のカルトーラが残した仕事も、たっぷりとお聴きいただこうと思っています。

建部さん、その後お元気でいらっしゃいますか。
リクエストをいただき、張り切って選曲をしました。ぜひいらしてくださいね。
東京近郊の皆様も、どうぞお越しください。お待ち申し上げております。

[SPアルバム] "NATIVE BRAZILIAN MUSIC VOLUME 2" Columbia C84
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