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デレ・アビオドゥンのオルモ録音 [西アフリカ]

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ナイジェリアでジュジュが黄金時代を迎えた70年代から80年代、
デレ・アビオドゥンは、エベネザー・オベイ、サニー・アデと肩を並べる三羽烏の一人でした。
当時のオベイやアデの録音は、ナイジェリアでもかなりCD化されましたが
(編集はでたらめなものが多いですけどね)、デレはまったくCD化されずじまい。

最近はデレの活動ぶりも伝わらなくなり、すっかり忘れられた存在になっていたんですが、
デレが70年代にオルモ・レーベルへ残した13タイトルが、このたび一挙にCD化されました。
妙な編集はしておらず、オリジナル・アルバムをそのままCD化しているので、
歓迎すべきストレート・リイシューといえます。
ただ、ジャケット・デザインやタイトルがオリジナル盤をまったく踏襲していなくって、
どのアルバムをCD化したものか判別つきにくいのが、困りものなんですよね。
CD番号がLP番号と同じなので、オリジナル盤を確認するには番号が頼りです。
どうもナイジェリア盤CDというのは、満足いくリイシュー仕事をしてくれませんね。

入手できた12タイトル中、ぼくが聴いたことのあるのは5タイトルのみで、
ほとんどが初めて聴くものなかり。
あらためて、デレのキャリアをデビュー当初からじっくり聴くことができたわけですが、
デレのアルバムは出来不出来の差が大きく、
やはり名作といえるのは、ぼくが手元に残した3タイトルだけといえそうです。

その3タイトルとは、代表作の117番に106番と79番。
“G'ESIN NI KESE” がオリジナル・タイトルの117番は、84年にPヴァインから
『アダワ・スーパー・キング登場!』のタイトルで日本盤がも出たこともある、デレの最高傑作。
クラヴィネットを全面的に導入し、
キャッチーなリフやブレイクを多用したファンキーなジュジュが痛快です。
スティール・ギターの使い方もオベイやアデよりずっと派手で、
ギター・リフやブレイクなど、ロック世代に受け入れやすい割り切りの良さに
デレの個性が表われています。

オリジナルLPと同一タイトルの106番は、クラヴィネットをはじめて導入した作品で、
いわば117番のプロトタイプ的な内容。
クラヴィネットは117番ほど活躍していませんが、
ロック/ソウル色を強く打ち出した骨太な感覚が、痛快なポップなセンスにつながっています。
オリジナル・ジャケットは、教会の前の新郎新婦を漫画にしたデザインでした。

79番は、メリハリのある構成で聞かせる快作。印象的なギター・リフはアデのパクリとはいえ、
力技で押し倒すようなパワフルな感覚は、アデにはないデレの個性でした。
オリジナル盤は、赤い地に室内のデレのスナップ・ショットを飾ったジャケットでした。

今回初めて聴いたアルバムのなかでは、
もっとも初期のアルバム“ABANIJE” が、完全にアデ・フォロワーで面白かったですね。
精緻なギター・アンサンブルや空間をいかしたクールなサウンドなんて、アデのジュジュそのもの。
デレの歌い口も明らかにアデを真似ていて、後年のロックぽい感覚は見る影もありません。
デレのキャリアのスタートは、アデのコピーから始まったことがよくわかりました。

残るデレのレコードでCD化を期待したいのは、
オルモを離れ、自己のレーベル、アダワ・スーパーから最初に出した、
81年の“THE BEGINNING OF THE NEW ERA” ですね。
ぼくにとっては“G'ESIN NI KESE” 以上に聴きまくった最愛聴盤です。

Admiral Dele Abiodun and His Top Hitters Band
"ABANIJE" Olumo ORLPCD023 (1975)
"ODALE A JIYA" Olumo ORLPCD028 (1975)
"ESHIN O WE WU" Olumo ORLPCD038 (1976)
"ASIKO LOTO" Olumo ORLPCD056 (1976)
"ILE OLA MI" Olumo ORLPCD060 (1977)
"HALLELUYAH MODUPE" Olumo ORLPCD065 (1977)
"AGBA WA BURA" Olumo ORLPCD066 (1977)
"GBANJO KOBOKO" Olumo ORPLPCD079 (1978)
"ELEMU NGET ON" Olumo ORLPCD083 (1978)
"ABERE A LO" Olumo ORLPCD089 (1979)
"FOR BETTER FOR WORSE" Olumo ORPCDS106 (1980)
"LAI SE LAI RO" Olumo ORPCD117 (1980)
コメント(4) 

コメント 4

アフマリリス

なんと懐かしい・・・こういうものが出たのですね !
by アフマリリス (2010-10-21 12:57) 

bunboni

アフマリリスさんがジャケ写を撮られた
『ロッキン・ジュジュ・コンフロンテーション』より前の時代のデレです。
デレのこの時代を知っているアフリカ音楽ファンって、日本にいったい何人いるんでしょう?
by bunboni (2010-10-21 21:18) 

Pripri

リイシューには驚きですが、しっかりキャッチアップされてるのには敬服いたします。当時アデの歌古い録音は割りと入手出来ましたが、デレのOlumo盤は困難(田舎に住んでたせいもありますが)で結局Pヴァイン盤のみしか聴いていません。Adawa Super盤は、1-5まで手に入れましたが、やはり銀色のジャケットも眩い1のインパクトが忘れられません。
by Pripri (2010-10-29 02:43) 

bunboni

おっしゃるとおり、当時オルモ盤はあまり出回りませんでしたね。ぼくも入手するのに四苦八苦しました。
by bunboni (2010-10-29 07:02) 

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