オールド・コロンビアの味 ペニャランダ [南アメリカ]
クラブ方面のクンビア・ブームのおかげで、
古いクンビアものが紛れて入ってくるなんてこともあるんですね。
会社帰りに寄った下北沢のクラブ・ミュージック系のショップで、
コロンビア・フエンテス盤の古いクンビアCDを見つけ、狂喜乱舞してしまいました。
クラブ系のセレクト・ショップなんて、めったに足を踏み入れないんですけど、
たまにはメンドくさがらずにチェックしてみるもんですねえ。
こんなお宝が見つかるとは、期待もしてなかっただけに、どひゃーてなもんです。
若者が集うお店に背広姿のオヤジが立ち寄ったのは、
かなり場違いぽかったですけど、んなこたぁかまっちゃらんない。
「それにしても、よく入ってきたなあ、お前。」
思わずCDにつぶやいちゃいましたよ。
コロンビアのフエンテス盤なんて、ここ十年くらいぜんぜんお目にかかりませんでしたからね。
ペドロ・ラサやコラレーロス・デ・マハグァールの新しい編集盤CDが出てたこともツユ知らず、
収穫たんまりでホックホク。なにより嬉しかったのが、ペニャランダのCDを発見できたことでした。
二十年前くらいでしたっけ、フエンテス盤のオールド・コロンビアもののCD化が始まった時、
なぜかペニャランダだけはCD化されずに、がっかりしてたんでした。
1907年バランキージャ生まれのホセー・マリア・ペニャランダは、
SP時代から活躍する歌手兼アコーディオン奏者。
かつては数多くのLPを出していたのに、
フエンテス設立50周年記念の8枚組アルバムにも1曲も選曲されないなど、
完全に忘れられた存在となっていました。
ペニャランダはフエンテス初のLPアーティストでもあり、
記念すべきレコード番号の1番を飾ったそのレコードは、
お色気たっぷりのジャケも嬉しい、ぼくの長年の愛顧盤でした。
そのペニャランダがまったく忘れ去られているのは、残念でならなかったのです。
そんな思いをしてただけに、95年にこんなベスト盤CDが出ていたとは嬉しい限り。
しかも件のレコード番号1番のLP12曲中10曲を収録した選曲で、
ペニャランダの軽快なアコーディオン演奏による、
パセーオ、メレンゲ、パランダがたっぷり詰まっていて大満足。
あっけらかんとした歌いっぷりには庶民的な味わいが溢れ、
スクレイパーをせかせかと細かく刻むハチロクのビートも心地いいったらありません。
時代が下った録音では、ベースが加わってツー・ビートを強調して、
バジェナートのルーツをうかがわせるところもあって、なかなかに興味深いのです。
ところで、このお店に通うような若い人で、ペニャランダを買う人っているんでしょうか。
ペニャランダを知る若者なんているわけがないから、
ヴィンテージものを聴いてみようという人がいるかどうかってことですけど、
それがちょっと気になりますね。
Peñaranda Y Su Conjunto "SUS GRANDES EXITOS - VOL.1" Fuentes D10200
[LP] Peñaranda Y Su Conjunto "PEÑARANDA" Fuentes FLP001
2010-11-04 06:38
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