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アフリカのヴェテラン復活続く エボ・テイラー [西アフリカ]

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アフリカ大陸で多くの新興国が独立を果たした「アフリカの年」から半世紀を迎えた今年、
ありし日のアフリカ音楽を蘇らせるかのようなアルバム・リリースが続いたのは、偶然でしょうか。
これまであまり注目されることのなかった、地味なヴェテラン・ミュージシャンたちが
魅力的なアルバムを出しているのは、注目に値します。

今月号の『ミュージック・マガジン』で紹介したコンゴのブンバ・マッサや、
ナイジェリアのジュジュのオールド・タイマー、
オラセニ・テジュオソのソロ作のようなレトロ・サウンドにもトロけましたけど、
ちょっとびっくりしたのが、ガーナのハイライフの大ヴェテラン、エボ・テイラーの新作。

ここ最近聞いたアフロビートでは出色の演奏内容で、思わず引き込まれてしまいました。
これが74歳になるエボ・テイラーの新作というのだから、驚かされます。
バックを務めるのは、ベルリンをベースに活動しているアフロビート・アカデミー。
ドイツ人、アメリカ人、カナダ人、ガーナ人からなる多国籍ユニットです。
ざらっとした音色のオルガンや、ホーンズの鳴り、ポリリズミカルなドラミングなど、
往年のアフリカ70を思わせるサウンドを繰り広げていて、いやー、燃えますねえ。
いまやアフロビートが完全にユニヴァーサルな音楽となったことを実感します。

エボ・テイラーは21歳でハイライフの名門バンド、スターゲイザーズに参加したギタリストで、
62~65年のロンドン留学時代には、フェラ・クティと同じ音楽学校に通った友人同士。
70年代以降はプロデューサー兼音楽監督として、
C・K・マン、パット・トーマス、ジュウェル・アッカーなど多くの後進たちを育て、
エボ自身も数多くのソロ・プロジェクトを手がけました。
当時の録音は、サウンドウェイやアナログ・アフリカでも復刻されていますね。

20年ぶりのレコーディングという本作では、アフロビートを核としながらも、
ハイライフやアフロ・ソウルもしっかりと取り上げていて、
アフロビート一辺倒にしていないところが好感を持てます。
特に3・5・8曲目のハイライフなど、いかにもガーナらしいメロディが飛び出し、思わずニンマリ。
ドラムスとパーカッションがガーナ人なので、ハイライフの演奏も本格的です。
キャッチーなアフロビートばかりでなく、
こういうハイライフにも注目が集まってほしいなと思います。

Ebo Taylor "LOVE AND DEATH" Strut STRUT073CD (2010)
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