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円熟したアラベスクの女王 キバリエ [西アジア]

Kibariye.jpg

トルコ歌謡アラベスクの女王さま、キバリエの最新作がリリースされました。
04年の“BEN AYAKTA AĞLARIM” 以来で、しばらくぶりーと思ったら、
06年と08年にもアルバムは出ていたらしく、ぼくが気付いていなかっただけみたいです。

かつてのキバリエは、いかにもジプシー出身らしいハスキー・ヴォイスを駆使して、
コブシをぐりんぐりんに回してたものでしたが、
この新作では一歩後ろに引いた奥行きのある歌唱を聞かせ、
キバリエも円熟したなあと感じ入りました。

ごりごりの歌唱から力が抜けたことによって、さらに存在感を増したキバリエは、
アラベスクの帝王イブラヒム・タトルセスの円熟ぶりと、足並みを揃えているようにも思えます。
トルコ歌謡アラベスク界はこの二人がいる限り、安泰ですね。

のっけがタルカンの曲で、コーラスにタルカンもゲストとして加わっているんですけど、
やけに存在が薄くって、クレジットがなければ気付かないほどです。
アラベスクらしい豪華なストリングス・アンサンブルと、
ベリーダンス風のリズム・セクションをベースとしながら、
ピアノ伴奏でじっくりと聴かせる曲あり、ジタン風のギターをフィーチャーしたルンバ調の曲あり、
バグラマーが泣きのフレーズをたっぷりと奏でる曲ありと、手を変え品を変え、楽しませてくれます。
ラストのジプシー・サウンドをダンサブルに仕上げた9拍子曲も、聴きごたえがありますね。

女タトルセスと呼ぶにふさわしい安定感と重量感を示した、ヴェテランらしい作品です。

Kibariye "4 MEVSİM" Avrupa Müzik no number (2010)
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