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フィーリンを歌うアメリカ白人 マシュー“マテオ”ストーンマン [北アメリカ]

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驚愕! 
無名のアメリカ白人シンガー・ソングライターが歌うフィーリン!

オーケストラが優美なサウンドを奏でると、
ひそやかに歌い出すマテオのシルキー・ヴォイスに、はや金縛り状態。
これを歌っているのが、アメリカ白人だなんて、とても信じられません。

中性的ともいうべき、脱力系のふわふわとした綿菓子のようなヴォーカルに、鳥肌が立ちました。
まるでチェット・ベイカーの再来じゃないですか。
主役のマテオことマシュー・ストーンマンは、
ロサンゼルスで活動しているシンガー・ソングライターだそうで、
どこか神経質そうな風貌は、イマドキの草食系男子といった感じですね。

はぁ~、それにしても。まさかアメリカ白人がこれほどまでにフィーリンを歌いこなすとは。
小野リサが登場した時、日本人でこんなに自然にブラジル音楽を歌えるなんてと驚きましたけど、
マテオくんの登場は、小野リサ以上のインパクトがありますね。
なんせアメリカ白人といったら、外国の音楽にまったく興味を持たないことで有名ですからね。
ニューヨークあたりのインテリならいざ知らず、西海岸人なら、なおさらのこと。

なんでも04年に自費でハバナに赴き、ロベルト・フォンセカやカチャイートの協力を得て、
50人を超すキューバ人ミュージシャンとともにレコーディングを敢行した自主制作盤とのこと。
いったいどうやって、こんな豪華なレコーディングをセッティングすることができたんでしょうか。
32ページに及ぶライナーには、そのあたりの経緯がはっかり書かれていなくて、いまいちナゾです。
内容は自作曲とカヴァーが半々で、メキシコのアルマンド・マンサネーロや
アグスティン・ララのボレーロも取り上げています。

典雅で上品なオーケストレーションに、つぶやきのボサ・ノーヴァ的唱法で
透徹した美学を聞かせたアルバムには、非の打ち所がありません。
何度も聴くほどに惚れ込んでしまい、死にいく際にこのアルバムを聴かせてもらったら、
満ち足りた気持ちで人生を終えられそう、なんてことまで考えるようになってしまいました。
臨終のアルバムにして悔いなしと、真剣に思うまでとなった大傑作であります。

Matthew “Mateo” Stoneman "MATEO" no label no number
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