傑出したポップ・ミナン新作 リア・アメリア [東南アジア]
うわぁ、歌、ウマいなあ。
このリア・アメリアというインドネシアの若手女性シンガー、
これまでスロー・ロックやダンドゥットを歌ってきた人だそうですが、
本作は、西スマトラ情緒溢れるゆったりとしたメロディーのポップ・ミナン集。
細やかな情のこもった歌いっぷりに、聴き惚れてしまいました。
ふくよかな中音域と伸びやかにふくらむ高音域のバランスが絶妙で、
しなやかに回すコブシ使いも巧み。
これほど歌唱力のあるインドネシアの歌手には、ひさしぶりに出会ったような気がします。
歌い回しがシティ・ヌールハリザに似ているところがあって、
若さに似合わぬたおやかな歌の表情に、ゾクゾクしちゃいました。
このCDはマレイシアのミュージックランドから出ていますが、
原盤会社はミナン・レコードとクレジットされています。
きっとポップ・ミナンの専門レーベルなんでしょうね。
インドネシアの地方ポップス事情はよく知りませんが、
今もインドネシアでは、地方ポップスが元気のようです。
ジャケットを見れば想像がつくとおり、プロダクションは庶民ポップス仕様。
この凡庸極まりないバックで、
最後まで飽きさせずに引きつける魅力は、ひとえにリアの歌唱力にあります。
予算をかけてしっかりと制作されたプロダクションで、ぜひ聴いてみたい人ですね。
Ria Amelia "12 POP MINANG LEGENDARIS : PULANGLAH UDA" Insictech Musicland 51357-72332 (2010)
2010-12-28 06:38
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