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黄金のモレーナ ルーチャ・レジェス [南アメリカ]

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ペルー、クリオージョ音楽の名歌手で忘れられないのが、ルーチャ・レジェスです。
ぼくが大のごひいきにしているエバ・アイジョンが、
範とした歌手だということを知り、後追いで聴いてみたんですね。

ルーチャの70年の大ヒット曲“Regresa” は、エバの重要レパートリーとなっていますが、
そのオリジナル・ヴァージョンを聴いて、なるほどとナットクしました。
ルーチャのすすり泣くような歌い回しなど、
エバはルーチャのヴァージョンを忠実に歌っていたことが、これを聴くとよくわかります。
伴奏のアレンジもそっくりそのままで、再演といってもいい仕上がりとなっています。
ルーチャの“Regresa” は“LA MORENA DE ORO DEL PERU” の1曲目に、
エバの“Regresa” も、93年の名盤“GRACIAS A LA VIDA” の1曲目に収録されています。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-11-14

胸の奥によく響かせて発声する声量の豊かさと、
息の抜きどころやブレスの巧みさなど、コントロールの効いた節回しは絶品です。
哀切の表現に卓抜した情感を醸し出す、ルーチャの歌唱力にウナらされます。
「黄金のモレーナ」の異名をとったルーチャですが、そのデリケートな哀切表現は白人的といえ、
アフロ系のフェステーホなどを聴いていると、
白人のエバの歌いぶりの方がよっぽど黒っぽく感じます。

リマの貧民街に生まれたルーチャは、生後6ヶ月で父親と死別し、
母親と16人の兄弟との生活は困窮を極めたといいます。
養護施設で8年を過ごし、25歳に歌手デビューした後も、
病弱のため歌手活動も途切れ気味でしたが、
病気と戦いながらレコード制作を続け、人気歌手として貧しい人々のあこがれの存在となりました。
しかしその栄光も、70年の大ヒット曲“Regresa” からわずか3年という短い期間で、
心臓発作のため37歳という短い生涯を閉じました。

ルーチャ・レジェスのオリジナル・アルバム6タイトルは、
97年にまとめてCD化されましたが、いずれ劣らぬ名作揃いです。
濃密な情感あふれる歌がルーチャの持ち味といっても、“LA FLOR DE LA CANELA” では
あっさりとした歌いぶりが魅力的となっていて、彼女の歌唱表現の幅の大きさがよくわかります。
そういえば昔、家で“LA FLOR DE LA CANELA” を聴いていると、
まだ7歳と3歳だった娘が手を取り合い、タンゴの真似をしておどけて踊っていたのを思い出します。
しかし、やはり圧巻は、自分の死期を覚悟して歌った「私の最後の歌」をタイトルとした
“MI ULTIMA CANCION” でしょうか。まさしく絶唱というべき歌唱に、胸を打たれます。

Lucha Reyes
"LA MORENA DE ORO DEL PERU" Discos Hispanos Del Peru RH.10.0150
"UNA CARTA AL CIELO" Discos Hispanos Del Peru RH.10.0151
"MI ULTIMA CANCION" Discos Hispanos Del Peru RH.10.0152
"SIEMPRE CRIOLLA" Discos Hispanos Del Peru RH.10.0154
"EL SHOW DE LUCHA REYES" Discos Hispanos Del Peru RH.10.0195
"LA FLOR DE LA CANELA" Discos Hispanos Del Peru RH.10.0197
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