SSブログ

レディ・デイのピアニストを務めた女性ブルース・シンガー マーガレット・ジョンソン [北アメリカ]

Margaret Johnson.JPG

クラシック・ブルースはブルース・ファンの間でも人気がなく、
マ・レイニーやベッシー・スミスといった大物が、わずかに聞かれている程度でしょうか。
ブルース・ファンはダウンホームなタイプのシンガーを好むので、
ジャズやヴォードヴィルの小唄ぽいブルース・シンガーは、
クラシック・ブルースの中でも、さらに軽んじられているのが残念です。

マーガレット・ジョンソンは、クラシック・ブルースのコンピレに
1曲あるかないかといった、知名度の低いブルース・シンガーなので、
ほとんど知る人もいないでしょうが、ぼくには忘れられない曲がある人です。

彼女の20年代録音を集大成したドキュメント盤は、マーガレットの決定版ともいえ、
ルイ・アームストロング、シドニー・ベシェ、クラレンス・ウィリアムスなどが
伴奏を務めた、ジャズ調のクラシック・ブルースのほか、
クラレンス・ウィリアムスのピアノのみをバックに歌ったピアノ・ブルース、
ハーモニカとギターのコンビによるヴォードヴィル・ソング、
コンサーティーナが伴奏に加わったカントリー・ブルースなど、
さまざまなタイプのブルースが収録されています。

ぼくのお気に入りは、コンサーティーナ、バンジョー、ストリング・ベースなどを伴奏にした、
26年録音の“What Kind Of Love” と“Folks In New York City”。
憂いを帯びたマーガレットの歌声がなんともセクシーで、
そこにファルセットを交えると、得も言われぬ独特の味わいを醸し出すんですよ。
この2曲は、マーガレット全録音のなかでも格別ですね。

マーガレットは32年3月12日の録音を最後に、歌手からピアニストへと転向します。
これはブルースに人気がなくなり、ブルース・シンガーとしてやっていくことより、
女性演奏家が脚光を浴びていたジャズの方が仕事があったという事情からのようです。

ピアニスト転向後にマーガレットが参加した代表的なレコーディングといえば、
ビリー・ホリデイの38年9月15日のニュー・ヨーク録音があげられます。
レスター・ヤングはじめ、バック・クレイトン、ジョ・ジョーンズ、フレディー・グリーンなど、
そうそうたるメンバーの名に交じって、マーガレットの名が残されているのでした。

Margaret Johnson "1923-1927 IN CHRONOLOGICAL ORDER" Document DOCD5436
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。