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カリンドゥラの祭り [南部アフリカ]

The Karindula Sessions.JPG

コノノ、ベンダ・ビリリに続いて、クラムド・ディスクのプロデューサー、
ヴィンセント・ケニスさんが紹介するコンゴ音楽は、なんとカリンドゥラでした。

カリンドゥラは、ザンビア北部やコンゴ南東部に暮らすベンバ人の伝統音楽をもとに発展した
ローカルなダンス・ミュージックで、
ザンビア、マラウィ、コンゴ南東部一帯で広く親しまれている音楽です。
ザンビアでは80年代以降、ベンバ以外の民族の伝統音楽なども取り入れて、
エレクトリック化・都市化したカリンドゥラが流行しますが、
ヴィンセントさんがコンゴ南東部の町ルブンバシで出会ったのは、
田舎の伝統的なカリンドゥラですね。

ミルク缶で作った小型ギターのカリンドゥラと、
石油缶に羊の皮を張ったボディーの巨大なバンジョーという
ハンドメイドの楽器を伴奏に、コール・アンド・レスポンスで歌う田舎のカリンドゥラについては、
去年ザンビアのグリーン・マンバを取り上げたことがありました。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29

このクラムド・ディスクの新作は、地元の3日間のお祭りで録音したとありますが、
お祭りといっても、家の裏庭のようなところで行われている、ずいぶんと小規模なものです。
家の壁際に並んだメンバーたちが歌い演奏する前で、ダンスバトルや大道芸が繰り広げられ、
集まった観客たちが口笛を吹いたり、手拍子を叩いたりといった様子が、
臨場感いっぱいに収録されています。
時折わあっと歓声があがるのも、DVDを見ればわかるとおり、
ダンスの見せ場だったりするわけですね。
音楽じたいは素朴なものですけど、健康なエネルギーに満ち溢れたいきいきとした演奏ぶりに、
アフリカ音楽ならではの魅力がたっぷりと詰まっていて、誰もが理屈抜きに惹きつけられるはずです。
録音もナマナマしくよく捉えられていて、ヴィンセント・ケニスの仕事っぷりは、
なんだかヒュー・トレイシーに似てきたような気もしますね。

ところでよくわからないのが、サブ・タイトルの“MODERN SOUNDS” の意味。
どう考えても、“LOCAL SOUNDS” もしくは“RURAL SOUNDS” だと思うんですけれども。
またカリンドゥラの綴りですが、
ザンビアの都市化されたカリンドゥラは普通 kalindula と書かれますが、
このアルバムでは karindula と綴られています。
コンゴではこういうふうな綴りが一般的なのでしょうか。
以上2点、プチ疑問でした。

[CD+DVD] BBK, Bana Simba, Bena Ngoma, Bana Lupemba
"THE KARINDULA SESSIONS : TRADI - MODERN SOUNDS FROM SOUTHEAST CONGO" Crammed Discs CRAW70 (2011)
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