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ゴンダールへの想い アスター・アウェケ

Aster Aweke.JPG

やっぱりアスター・アウェケは、エチオピアを代表するトップ・シンガーですねえ。
23作目を数えるという最新作“CHECHEHO” を聴き、
ヴェテランらしい円熟した歌いっぷりにウナらされました。

ワールド・ミュージック華やかりし90年前後は、
メジャー・レーベルと契約して日本盤も出ていたアウェケですが、
正直言うと、当時ぼくはアウェケが苦手でした。
アウェケの細くカン高い声と、フュージョンぽいサウンドが、どうにも馴染めなかったのです。
それから10年余り経ったミレニアム前後あたりから、アウェケの声はぐんと太くなり、
かつてのか細い声質とは見違えるほど、豊かな中音域を聞かせるようになりました。
それにあわせてバックのサウンドもフュージョンぽさが消え、
エチオピア音楽の伝統を生かしたプロダクションとなって、ぐんと聴き応えが増したのです。

Ethiopian Groove.JPG

喉を細やかに震わせるアウェケのこぶし使いは、
エチオピアの伝説的な女性シンガー、ベズネシュ・ベケレの歌唱を受け継いでいます。
75~76年、デビュー間もないアウェケが
エチオピアの地元レコード会社カイファに残した録音を聴くと、
ベズネシュを真似たアウェケのういういしい歌声を聴くことができますね。
アウェケの初期録音3曲を収録した
“ETHIOPIAN GROOVE : THE GOLDEN SEVENTIES” には、
ベズネシュの録音も収録されていて、両者を聴き比べることもできます。
この当時から35年を経た現在のアウェケは、
往年のベズネシュをほうふつとさせるシンガーに成長したといえます。

新作のタイトル「チェチェホ」は、エチオピア北部ゴンダールにあるアウェケの出身地の町の名。
ゴンダールは、17~18世紀のアビシニア王国時代の首都で、
遺跡や教会など数多くの歴史的建造物で知られる、世界遺産にも登録されている都市です。
そのタイトル曲からアルバムはスタートし、
ラスト曲のタイトルが「ゴンダール」と付けられていることからも、
この新作にはきっとアウェケの郷土への思いが、込められているんでしょうね。

今回のアルバムは、長年アウェケを支えてきた現代エチオピアン・ポップスのキー・パーソン、
アバガス・キブレワーク・シオタがプロデュース兼アレンジを務めるほか、
新たに3人のプロデューサーを迎え、アジス・アベバでレコーディングされています。
鍵盤系の軽めの音が中心とはいえ、ホーンズは生だし、
ハチロクのグルーヴもよく弾けていて、申し分ありません。
伝統的なエチオピアの旋法にのっとったアウェケの曲は、
ブルースやレゲエのフォーマットを借りても、エチオピア色を薄めるどころか、
逆にその独自性を輝かせていて、その咀嚼力にポップ・センスの高さが示されています。

Aster Aweke "CHECHEHO" Kabu no number (2010)
Alemayehu Eshete, Aster Aweke, Bezunesh Bekele, Hirut Bekele, Ayalew Mesfin, Asselefetch Ashine and others
"ETHIOPIAN GROOVE : THE GOLDEN SEVENTIES" Blue Silver 002-2
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