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オルタナ・ノルデスチ イザール [ブラジル]

Issar.JPG

ゼー・カフォフィーニョの“DANÇA DA NOITE” を毎日聴いてたら、
レシーフェの女性シンガー・ソングライター、イザールの新作も楽しめるようになっちゃいました。
イザールのソロ・デビュー作“AZUL CLARO”(06)は、
素人同然のヘタクソな歌に唖然として、すぐに手放してしまったんですけどね。
ここんとこずっとゼー・カフォフィーニョの脱力ヴォーカルを聴いてたもんだから、
調子ぱずれなヴォーカルに免疫ができたんでしょうか。

風貌に似あわぬ、か細くチャーミングな声で、
音程を取るのもやっとといった不安定な歌いぶりは、このセカンドでも変わっていませんが、
ギター、ベース、ドラムスの3人のバックが放つ、
ユニークなオルタナティヴ・センスはかなりの聴きものです。
ワウワウをかけたギターが、哀愁味のあるメロディーを奏でる1曲目から
相当にすっとぼけてて、隙間だらけのストレンジなサウンドにやられます。

前半はフレーヴォやバイオーン、シランダといったノルデスチらしいリズムの曲が並びますが、
6曲目あたりからオルタナぽいカレージ・サウンドとなり、終盤はマラカトゥ・ロックに続いて、
ペルナンブーコが生んだ偉大な作曲家、カピーバの1934年のフレーヴォを
軽快なロック・アレンジで歌って大団円を迎えるという一枚。
アルバム全編を通じて、変化のあるレパートリーがうまく並んでいて、
あっという間に聞かせる構成がよくできています。

Comadre Florzinha 1st.JPG   Comadre Florzinha 2nd.JPG

経歴を調べてみたら、なんとイザールは97年から04年まで、
コマドリ・フロジーニャのメンバーだったんですね。
コマドリ・フロジーニャといえば、女性版メストリ・アンブロージオとして
話題を集めたレシーフェのグループ。
ノルデスチの伝統サウンドをモダンに響かせたデビュー作は、
ぼくのヘヴィー・ローテション盤でしたが、ひさしぶりに棚から引っ張り出してみると、
大勢のメンバーが抜けた2作目“TOCAR NA BANDA” の方にも、
イザールの名前がクレジットされていました。
そのほか、作曲家としても、ムンド・リヴレS/A、シバ、エジエなどに曲を提供していて、
イザールは90年代半ばに盛り上がったノルデスチ新世代アーティストのひとりだったようです。

Issar "COPO DE ESPUMA" Funarte no number (2009)
Comadre Florzinha "COMADRE FLORZINHA" CPC-UMES CPC023 (1999)
Comadre Fulozinha "TOCAR NA BANDA" YBrazil Music YBCD023 (2003)
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