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フジ黄金期の名盤CD化 コリントン・アインラ [西アフリカ]

Kollington Ayinla Sweet Sixteen CD.JPG   Kollington Ayinla Austerity Measure LP.JPG

祝! ナイジェリア、フジの歴史的名盤、コリントン・アインラの82年代表作、
“AUSTERITY MEASURE” がついにCD化されました!

四半世紀前のサニー・アデ・ブームの余波で、フジに魅入られたファンの誰もが、
夢中になったアルバムですね。CDはタイトルとジャケットが変わってしまったので、
オリジナル盤LPの写真も掲げておきます。ああ、これかと、思い出した方も多いでしょう。
そんな昔の話、知らないよ、という若いあなた。
ナイジェリアのフジに興味があるなら、このCDを聞き逃したら、一生後悔しますよ。(←脅し)

コリントン・アインラは、フジを生んだシキル・アインデ・バリスターの最大のライヴァル。
70年代からシキルと互いに競い合ってフジの流行を盛り上げ、
コリントンは「バタ・フジ」と称するトラップ・ドラムを導入した独自のスタイルで人気を博しました。
そのバタ・フジで勢いにのったコリントンの脂ののったイスラミックなこぶし回しと、
コーラスとのかけあいが堪能できるフジ黄金期の傑作がこのアルバムです。

ひさしぶりに聴き直しましたけど、雄弁なリード・トーキング・ドラムと
疾走するトラップ・ドラムの迫力に興奮のるつぼと化し、心臓バクバクもん。
やっぱ、この頃のフジはスゴイ!
ステデイなリズムをキープしながら、アクセントでタムをムチのように叩いたり、
スネアのロールを織り交ぜたり、その他各種打楽器が繰り広げる当意即妙なインタープレイにも、
世界最高のパーカッション・ミュージックといいたくなります。

コリントン・アインラの旧作CD化はなかなか進んでいなかったんですが、
80~90年代のコリントン・レコードの作品が、最近になってようやくCD化しました。
CDには曲目表示がないうえ、一部オリジナルLPとタイトル違いのものもあって、
どのアルバムをCD化したものかわかりにくいのが困りものですが、
それ以上にがっくりなのは、盤質の悪いLPから音を起こしているのが多いこと。

80年代の作品で盤おこしかよ、と文句のひとつも言いたくなりますが、
なんせナイジェリアという国ですからねえ。
マスターが残っているとしても、そんなメンドくさいことしてCD作るより、
街のカセット屋みたく、LPからダビングするように安直に作ってんでしょうねえ、きっと。
というわけで、ちりノイズばかりでなく、音トビはあるわ、歪みはあるわの
極悪CDもカタログには多数交じっているので、買う場合はそれなりのお覚悟を。

ただし、この“AUSTERITY MEASURE” をCD化した
“SWEET SIXTEEN” は音質も良く、安心です。
このアルバムは原盤がコリントンでなく、コリントンへ移籍する前のオルモで、
のちにコリントンから“SWEET SIXTEEN” とタイトルを変え、カセットで再発されたもの。
ひょっとしてカセット起こしだから、音質がいいのかもしれませんね。

近年のコリントンに往年の輝きはなく、
パワフルだったヴォーカルも、すっかり力を失ってしまいました。
シキル亡き後、一番頑張って欲しいヴェテラン・フジ・アーティストですけど、
コリントンも明らかに太りすぎで、健康の方は大丈夫なんでしょうか。
シキルが糖尿病で逝ってしまっただけに、気がかりです。

フジ黄金期の一大傑作を聴き直し、その素晴らしさに感激するとともに、
あらためてコリントンの復調を願わずにはおれません。

Alhaji (Chief) Kollington Ayinla and His African Fuji '78 Organisation
"SWEET SIXTEEN" Kollington/High Kay Dancent no number
[LP] "AUSTERITY MEASURE" Olumo ORPS132 (1982)
コメント(6) 

コメント 6

NiamNiam

おおっ!コリントン・アインラのこのLPは、アインデ・バリスターの諸作以上に聞き込んだものです。ついにCD化ですか。感慨深いものがあります。比較的ゆったりとしたオープニングから、突然ギアをトップにシフトしてそのまま疾走を始めるくだりが特にカッコよく、何度繰り返し聞いても、シビレたものです。
by NiamNiam (2011-05-13 17:53) 

bunboni

さっそく嬉しいコメントをありがとうございます。
当時からのファンには、ほんと、感慨深いものがありますね。
by bunboni (2011-05-13 22:48) 

NiamNiam

ところで、当時から気になっていたのですが、A面後半トーキングドラムソロの直前に割と長めにソロをとっている打楽器はなんでしょうか?音から推測するに小さめのロコレみたいなものかなと思っていますがご存知ですか?確かにこれだけ多彩な打楽器がインタープレイを繰り広げる演奏も珍しく、ご指摘の通り、世界最高のパーカッション・ミュージックと呼ぶにふさわしい名演と思います。
by NiamNiam (2011-05-14 09:41) 

bunboni

木製ブロックですね。ヨルバ語ではなんというのか知りませんが、
アゴゴの木製版みたいなもので、音色はまさにロコレと同じです。
by bunboni (2011-05-14 12:29) 

アルバイテン

「そんな昔の話、知らないよ」というケツの青い僕ですが、bunboniさんの脅しにビビリまくりで、一生後悔するのも嫌なんで、早速チェック入れときました(笑)。まだ手許には届いていないんですが、聴くのが楽しみです。ありがとうございます!
by アルバイテン (2011-05-15 13:45) 

bunboni

もしお気に召さなかったら、脅した責任をとって買い取らせていただきます(笑)。
by bunboni (2011-05-15 14:39) 

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