SSブログ

リアル・ザディコ健在 ジェフリー・ブルッサード [北アメリカ]

Jeffery Broussard.JPG

うわぉ! いまどきこれだけ重量感のある本格ザディコが聞けるとは。
ザディコもブルースとおんなじで、新録ものにはあまりそそられないんですけど、
これにはやられました。
『クレオールの帰還』というタイトルにも、ぐっときますねえ。

若手プレイヤーの多くが、R&Bやヒップ・ホップ調のオシャレなザディコをこぞってやる中で、
これだけドロドロの、エグ味たっぷりなザディコをやってるんだから、痛快です。
「スムースなザディコなんぞ、しゃらくさいわい」とジェフリーが言ったかどうかは知りませんけど、
そんな熱血サウンドがぐつぐつとたぎったアルバムです。

なんでもジェフリーは、ボー・ジョックと肩を並べる本格派ザディコの立役者だそうで、
88年結成のザディコ・フォースというバンドで活躍していたとのこと。
ザディコ・フォースはシーンでの評価こそ高かったものの、
耳ざわりのいいイマドキのサウンドでないのが災いしてあまり売れず、
結局解散してしまったのだとか。
ザディコ・フォースのCDは未体験ですが、こりゃぜひ聴いてみなくちゃいけませんね。

ソロ活動に転じたジェフリーは、
自身のバンド、クレオール・カウボーイズ(なんて素晴らしいバンド名!)を率いても、
ザディコを口当たり良く薄めるようなことはせず、濃厚な風味を保ち続けています。
この新作でも、ルイジアナの沼地にはまって泥水を噛んだような、
ざらりとしたジェフリーのヴォーカルのダウンホームな味わいがたまりません。

ジェフリーのアコーディオン・プレイでは
3曲目の“I Love Big Fat Woman” が圧巻です。
これほどディープな蛇腹の響きは、今日びそうそう聞けるものじゃありません。
フィドルも達者なところを聞かせていて、芸幅の広さを見せつけられます。
アルバム全編、直球ど真ん中のストレイトな作りとなっていて、
スーパー・ヘヴィー級のザディコをさらりと自然体でやってのける
ジェフリーのスケールのでかさに、感服させられました。

Jeffery Broussard & The Creole Cowboys "RETURN OF THE CREOLE" Maison De Soul MDS1091 (2011)
コメント(4) 

コメント 4

raidaisuki

これはぜひ聴いてみたいです!
御紹介ありがとうございました。
by raidaisuki (2011-05-15 20:00) 

bunboni

先生、お帰りなさい。
あちらでジェフリーをひょっとしたら観れたかもと思ったんですけれども。
ニュー・オーリンズの土産話、ブログでぜひお聞かせください。
by bunboni (2011-05-15 20:26) 

dai626ku

このCD注文しました。前作も評判ヨイようですね。日本のザディコバンド、ザディコキックスはこのあたりを目標にしているのかも。
by dai626ku (2011-06-05 09:27) 

bunboni

アメデ・アルドワンはお聴きになりましたか。
ヴィンテージ・ザディコは今のザディコとは別物の味わいがあります。
by bunboni (2011-06-05 09:43) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。