ブラジル大衆音楽の100年 [ブラジル]
70年代サンバ・ファンには感涙もののリイシューです。
74年の暮れから75年の年明けにかけてリオのラジオ局が放送した、
歴史的なラジオ番組「ブラジル大衆音楽の100年」が、
2枚組4セットのボックスで完全復刻されたのです!
音楽研究家リカルド・クラヴォ・アルビンの監修のもと、
ブラジル大衆音楽の100年を振り返るという企画で行われたこのラジオ公開番組は、
放送時間が13時間45分にも及ぶ、壮大なものでした。
プログラムは、19世紀末のショーロ、ルンドゥーに始まり、
サンバの創生期から戦前黄金時代の名曲の数々へと流れ、
戦後のバイオーンの流行や、ボサ・ノーヴァからMPBへと、
多彩な音楽でシーンが活性化していく様を追い、
サンバが復興した70年代現代へと繋げるというもの。
当時最高の音楽家たちが大挙出演していて、
アルタミーロ・カリーリョ、アベル・フェレイラなどのショーロのヴェテランから、
カルトーラ、パウリーニョ・ダ・ヴィオーラ、エルザ・ソアーレス、ベッチ・カルヴァーリョ、
ルイス・ゴンザーガ、ジャクソン・パンデイロ、アデミルジ・フォンセカ、
ドリス・モンテイロ、ジョニー・アルフ、ペリー・リベイロなどなど、
サンバ、北東部音楽、ボサ・ノーヴァの精鋭たちが、ずらりと顔を並べています。
ブラジル大衆音楽の成立からその変遷と発展を見事に綴ったこのメモリアル・ライヴは、
放送のナレイションの部分をカットして、8枚バラ売りのLPとして発売されたんですけど、
当時このレコードはまったく日本に輸入されず、
ぼくは知り合いのつてを頼り、ブラジル駐在の方にお願いして買ってきてもらいました。
そこまでして欲しかったのは、カルトーラの弾き語りが第7集で聞けると知ったからなんですね。
ちょうどその頃、ぼくはカルトーラのマルクス・ペレイラ盤2枚にゾッコンで、
これは是が非でも手に入れねばと必死になったのです。
この第7集では、上り調子のベッチ・カルヴァーリョがすばらしい歌声を披露しているほか、
パウリーニョ・ダ・ヴィオーラやエルザ・ソアーレスも聞け、大カンゲキしたものです。
もちろんこの第7集だけでなく、アルタミーロ・カリーリョのすばらしいフルートを楽しめる第1集や、
サンバ黄金時代の名曲を堪能できる第2集など、すべてが聴きもの。
いま振り返ってみると、ブラジル音楽と70年代に出会えたのは、本当に幸運でした。
そんな70年代にサンバと出会ったファンには、格別のボックスです。
V.A. "100 ANOS MÚSICA POPULAR BRASILEIRA" Discobertas DBOX02
2011-05-27 00:00
コメント(2)
凄いのがリリースされていたのんですね。知りませんでした。僕にとってはまさに幻中の幻のLPで、当時のチローロのLPとならび喉から手が出るほど欲しいLPの一枚でした。幸い日本のCDショップにも在庫がありましたので早速買いました。今から届くのが楽しみでわくわくしています。ご紹介していただきありがとうございました。
by NiamNiam (2011-05-27 14:38)
あの当時、タペカール盤は日本に入らなかったんですよねえ。
ジスコベルタ、いい仕事をしてくれてます。じっくりお楽しみください。
by bunboni (2011-05-27 22:10)