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ジャズ・ファンクの名盤復活 ジョー・ファレル [北アメリカ]

Joe Farrell PENNY ARCADE.JPG

うわー、なつかしい!
ジョー・ファレルの73年作がCD化されました。
これまで無視され続けてきたCTIの名盤ですよ。

ジョー・ファレルのアルバムでは、71年の“OUTBACK” ばかりが評価され、
「のちはロック色が強くなって面白くなくなった」などと、
ジャズ評論家にばっさり切り捨てられてたんですよねえ。
クロスオーヴァー/フュージョン系のアルバムくらい、
自分の好みと世評とのギャップが激しいジャンルもありませんが、
それにしてもこのアルバムは、あまりに過小評価されすぎでしたよ(怒)。

メンバーとして参加しているハービー・ハンコックの“HEAD HUNTERS” と
同じ73年のアルバムというのが象徴的なように、
ファンク色濃厚なサウンドが、当時のクロスオーヴァー・サウンドを特徴づけています。
70年代後半以降、クロスオーヴァーはファンク色が薄れてフュージョンへと変質しますが、
個人的にはこの頃のブラックネスあふれる、
ジャズ・ファンク・サウンドのクロスオーヴァーが大好きでした。

冒頭のタイトル曲から、テーマ・リフをユニゾンで叩くスティーヴ・ガッドのドラミングにしびれます。
ハービー・ハンコックのさざ波フレーズが随所で冴えまくり、
ジョー・ファレルもゴリゴリと吹きまくっていますが、
ファレルを煽るような尖ったバッキングを聞かせるギターのジョー・ベックがまたすごい。
ソロでは一転、主役のお株を奪うような熱演で、バンドをぐいぐいとひっぱっていきます。
アルバム全編でロックを強く意識したギターを弾いているんですけど、
ラストでは正統的なジャズ・ギターのスタイルで弾いたりと、職人芸的なところもみせてます。
ドン・アライアスのコンガが冴えるラテン・ナンバーも、
アルバムの絶妙なアクセントになってるんですね。

ウン十年ぶりに聴き直しましたけど、
メンバー全員がエネルギーに満ち溢れた快演揃いで、やっぱ名盤だわ、これは。

Joe Farrell "PENNY ARCADE" Wounded Bird WOU634 (1973)
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