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阿波おどりの季節に お鯉

お鯉 唄声は時代を超えて.JPG

久保田麻琴さんの「ぞめき」シリーズで、にわかに音楽ファンの注目を集め始めている、阿波おどり。
その昔は、高円寺の阿波おどりと少し関わりもあったんですけど、今ではまったくのご無沙汰。
この前テレビをつけたら、偶然、徳島の阿波おどりのドキュメンタリーをやっていて、
あぁ、今年もそんな季節かと思っていたら、三味線を抱えたお鯉さんが登場したので、びっくり。
お鯉さんは2008年の4月に亡くなっているので、ええっ!と画面に釘付けになったんですけど、
放映されていたのは、亡くなった前年2007年のものでした。

お鯉さんといっても、知らない方がほとんどでしょうけど、
「ハアラ エライヤッチャ エライヤッチャ ヨイヨイヨイヨイ」の阿波おどりの囃子唄
「よしこの」を日本中に知らしめた人、といったら少しは興味をおぼえてくれるでしょうか。
明治40年4月27日徳島市富田町生まれの元芸妓さん、
お鯉こと多田小餘綾(ただ・こゆるぎ)さんは、徳島の誇る有名人です。

昭和6年「徳島盆踊唄(よしこの)」を日本コロムビアへ吹き込んだのが、ことの始まり。
翌年レコードが発売されると、当時の民謡ブームにのって大ブレイク。
ラジオへの出演依頼が殺到し、お鯉さんは一躍人気者となりました。
そして昭和10年にはポリドールへ「阿波踊り(よしこの)」を吹き込み、
「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らな損々」は日本中の誰もが知ることとなり、
「東の市丸、西のお鯉」として全国に知られるレコード歌手となったのでした。

百寿記念で出された自主制作CD『唄声は時代を超えて』には、
40代後半から99歳の時のお鯉さんの録音が収められていて、その艶やかな美声に驚かされます。
なかでも77歳の時の小唄の数々がすばらしくって、ぼくは大好きなんですけど、
歳月を経て洗い流されたしなやかな節回しと、自然体の唄いぶりに聴きほれてしまいます。
伴奏にピアノやギターが加わる録音もあって、その柔軟な音楽性にも感心させられました。

お鯉 阿波の心.JPG   お鯉 想い出の唄.JPG

80歳記念で出された『阿波の心』、91歳記念の『想い出の唄』ともに、
とてもそのお歳とは信じがたい歌声で、
清らかなたたずまいと気取らないやわらかさに魅せられます。

忘れられないのは、
『唄声は時代を超えて』を注文した時のこと。お鯉さんポストカード.JPG
「ありが度うございました」と
丁寧な筆致で書かれたポストカードをいただき、
これにはいたく感激してしまいました。
百歳にしてほぼ毎日、徳島の自宅で
唄と三味線の指導にあたるという現役バリバリの活躍ぶりで、
いつかお鯉さんのライヴを生で観たいと願っていたのですが、
それは叶わぬこととなりました。

お鯉さんは亡くなる4月6日の前日までとてもお元気で、
家族と一緒にお花見に出かけ、
讃岐のうどんを食べに香川県まで足を延ばし、
帰宅後お弟子さんに稽古をつけた後、
食事時にビールを飲み、色紙を書いて就寝し、
翌朝お亡くなりになっていたそうです。

トライバル・グルーヴとして阿波おどりが見直されるなか、
ぼくはお鯉さんの歌声を、阿波おどりの季節に思い起こします。

お鯉 「唄声は時代を超えて」 レーベル名なし 番号なし (2007)
お鯉 「阿波の心」 レーベル名なし 番号なし
お鯉 「想い出の唄」 レーベル名なし 番号なし
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