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笑顔になれる リトル・テンポ [日本]

Little Tempo 太陽の季節.JPG

この夏、毎朝ウォーキングの友となってくれたアルバムなのに、
なぜか取り上げるのを忘れていた、リトル・テンポの新作。
朝晩も涼しくなって、そろそろアルバムも交替かなと思い始めた頃に、
まだ書いていなかったことに気付いた間の悪さに、ごめんなさいです。

今度の新作は、潔いほどにイージー・リスニングなサウンド。
スティールパンやスティールギターの音色が心地よい、
極上のトロピカル・ムード・アルバムに仕上がっています。
オータサンにも通じる、リラクシンな娯楽作ともいえますかね。
全編ミディアム・テンポで、昭和歌謡を思わせるノスタルジックなメロディーの
歌のない歌謡曲的な演奏は、実に端正でもあります。

上モノのメロディーが、左から右にただ流れてしまわないのは、
がちっとしたリズム・セクションが生み出すブッといグルーヴゆえ。
さすがにそこは、レゲエ・バンドだけのことはあります。
メロディーのノヴェルティ気分を演出するために、
あえてリズム・ボックスみたいなチープな打ち込みを使うところなど、
自分たちのビートに自信がなければ、なかなかできないことでしょう。

「そよかぜ通り」「ときめき☆リダイヤル」などといった歌謡曲チックなタイトルも、
なるほどと思わせるメロディーが出てきて、楽しいかぎり。
ブラジルのブの字もない曲と演奏で「ブラジリアン・サマー」というタイトルも、
かつての70年代歌謡曲みたいな「えせトロピカル」なキッチュさで笑えます。
ペダルスティールが活躍する曲だから、ブラジリアンじゃなくてハワイアン、
否、ハワイとレゲエのミックスだから、「ジャワイアン・サマー」の方がよかったかも。

「南京豆売り」もラテンじゃなく、ザ・ピーナッツが歌ったカヴァーみたいに聞かせるところも、
ネライどおりなんでしょうね。
とにかく、どの曲からもメンバーが楽しそうに演奏をしているのが伝わってきて、
聴いているだけで、自然とにこにこと笑顔になれるから不思議です。
3.11以降忘れていた、屈託のない笑顔を思い出させてくれる、気持ちのいいアルバムです。

Little Tempo 「太陽の季節」 サンシャイン/Pヴァイン SUNCD004  (2011)
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