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お悔やみ トンガイ・モヨ [南部アフリカ]

Tongai Moyo TOITA BASA.JPG

先週ジンバブウェのアリック・マチェーソの新作を取り上げた時に、
ちらっと名前を挙げたトンガイ・モヨが、
10月15日ハラレの病院で亡くなったという訃報が飛び込んできました。
まだ43歳の若さでなぜと思ったら、ガンだったそうです。

びっくりして、今年入手したばかりの“TOITA BASA” を棚から引っ張り出すと、
なんと裏ジャケットには、「このアルバムを世界中のすべてのガン患者に捧げます」
との献辞があるじゃありませんか。
続いて「私はこの5年間、ガンと向き合いながら闘い続けています」とも書かれてあります。

こんなことが書かれていたなんて、完全に見落としてました。
トンガイのスングラが大爆発しているゴキゲンな新作だっただけに、
これほどパワフルな歌と演奏を披露しているトンガイがガンだったなんて、
訃報を聞いた今も、どうしても信じることができません。

裏ジャケにはトンガイによる各曲のコメントが簡単に添えられていて、
2曲目の“Ndinobvuma” では、自分のガンを受け入れるとともに、
自分がガンになって、皆それぞれ問題を抱えていることに気付いたと書かれています。

紹介が遅れましたが、トンガイ・モヨはアリック・マチェーソやソマンドラ・ンデベレと並ぶ、
スングラの大スター。97年のデビュー作以降、14枚のアルバムをリリースし、
出すアルバムすべてヒットするという、
飛ぶ鳥落とすイキオイで活躍し続けたシンガー兼ギタリストでした。

と書いたところで、日本でスングラを知っている人も、
トンガイ・モヨやアリック・マチェーソやソマンドラ・ンデベレを知る人も皆無というのが、
もう悔しいったらありゃしません。
ヨーロッパ人プロデューサーが取り上げるアフリカ音楽しか流通しないというこの状況、
かれこれ10年以上続いてますけど、いい加減風穴を開けることができないもんですかね。
ほんっと、なんとかしてもらいたいです(力こぶ)。

せめて遺作となってしまったこの“TOITA BASA” だけでも、みなさんに聴いてもらいたい。
アリック・マチェーソの“ZVINODA KUTENSWA” 同様、ゴキゲンなスングラが詰まった快作、
かつてザイコ・ランガ=ランガやパパ・ウェンバに衝撃を受けたことのあるファンなら、
それ以上のショックを受けること必至です。

原田さ~ん、ぜひハヤシエリカさんにお願いして、このアルバム入れてあげてくださ~い。

Tongai Moyo and Utakataka Express "TOITA BASA" Gramma CDGRAMMA660 (2010)
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