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知られざる60年代ジュジュのギタリスト ワレ・グローリアス [西アフリカ]

Wale Glorious  6386002.JPG   Wale Glorious Olotuo.JPG

ナイジェリアのフィリップスは、ヴィクター・オライヤ、レックス・ジム・ローソン、
ヴィクター・ウワイフォなどのハイライフやユスフ・オラトゥンジのサカラなど、
数多くのナイジェリア音楽の名盤を60~70年代に残した名門レーベルです。
世紀を越えたあたりから、フィリップスの原盤権を持つプレミア・ミュージックが
過去のカタログを怒涛のごとくCD化していて、ナイジェリア音楽ファンには目が離せないんですけど、
新たにジュジュのワレ・グローリアスの旧作5タイトルが一挙にCD化されました。

ワレ・グローリアスをご存知の方は日本では皆無かもしれませんが、
ナイジェリア南西部オンド州アクレ出身のジュジュ・シンガー兼ギタリストで、
I・K・ダイロやトゥンデ・ナイチンゲールなどとともに、60年代のジュジュ・シーンで活躍した人です。
わずか15年程の活動期間で早逝してしまったため、現在では忘れ去られていますけど、
優れた作品を残したジュジュ・ギタリストの一人なんですよ。

とりわけ嬉しかったのは、愛聴した10インチ盤6386.002が
“OLOTUO” のタイトルでCD化されたこと。
筆頭のCD番号でCD化されたのは、やはりワレの代表作と評価されているからでしょうか。
きびきびと小気味よいギター・アンサンブルは、当時のトゥンデ・ナイチンゲールとも遜色なく、
曲の途中でテンポを上げ、リズムが一斉に疾走していくところなど、
ジュジュの醍醐味をあますことなく伝えてくれています。
レコード片面ノン・ストップのメドレー形式のアルバムなので、60年代後半の録音と思われます。

Wale Glorious  ORI NI PE KOYENI.JPG   Wale Glorious  OLOGBON OMO.JPG

“OLOTUO” の同時期録音と思われる“ORI NI PE KOYENI” もいい出来で、
終盤にハーモニカを取り入れているところなど、新鮮です。
“OLOGBON OMO” はもう少し古い録音と思われ、若々しいコーラスも元気いっぱいで、
複数台のギターが、それぞれ気ままに弾いてるような自由さもいいですね。

Wale Glorious  AKURE OLOYEMEKUN.JPG   Wale Glorious  IGBEYAWO.JPG

反対に要注意盤は、“AKURE OLOYEMEKUN” と“IGBEYAWO”。
どちらもLP片面ノン・ストップ形式ではなく、短い曲を収録した初期録音で、
チューニングの狂ったギターを堂々と弾いたりしていて、ノケぞります。
“AKURE OLOYEMEKUN” でチューニングが狂っているのは最後の曲だけとはいえ、
アンサンブルに粗さもあり、あまりおすすめできません。

フィリップスには、デレ・アジョやジョシー・フライデーといったジュジュ・ギタリストも録音しているので、
プレミア・ミュージックには、続けてCD化をよろしくです。

[10インチ] Wale Glorious & His Aiyesoro Spots Band "WALE GLORIOUS & HIS AIYESORO SPOTS BAND" Philips 6386.002
Wale Glorious "OLOTUO" Premier Music PLCD011
Wale Glorious "ORI NI PE KOYENI" Premier Music PLCD015
Wale Glorious "OLOGBON OMO" Premier Music PLCD013
Wale Glorious "AKURE OLOYEMEKUN" Premier Music PLCD012
Wale Glorious "IGBEYAWO" Premier Music PLCD014
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