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J-POP JAZZを歌う逸材 樹里からん [日本]

樹里からん TORCH Ⅱ.JPG   樹里からん TORCH.JPG

いいねえ、この人!
こんなにケレン味なく歌える日本人ジャズ歌手、めったにいませんよ。
「夢で逢えたら」「別れのサンバ」「あまく危険な香り」「LA・LA・LA LOVE SONG」など、
日本のポップス名曲をジャジーにカヴァーした『TORCH Ⅱ』を偶然店で耳にして、
すっかり耳奪われてしまい、すぐさま買ってきたんですけど、
じっくりと聴くほどにウナらされ、すっかりマイってしまいました。

この人の歌には太い芯というか、幹があって、安心して聴くことができます。
芯があるから、力をふっと抜いて軽く歌っても、歌が揺るがない。
これ、けっして簡単なことではなくて、歌唱力のない歌手が口先で同じような真似をしたら、
歌がふらふらと不安定になるだけで、とてもじゃないけど落ち着いて聴いてらんないですよ。
よく雰囲気だけでごまかすフェイクもどきの歌を歌うシンガーがいますけど、
そんないんちきなシンガーと樹里からんが決定的に違うのは、発声の力強さですね。

ブレス遣いもコントロールが行き届いていて、ディクションの明解さにも胸をすきます。
ストレイトに歌うパートと奔放なフェイクの対比も鮮やかで、非の打ち所がありません。
これくらい実力のある人だと、「アタシ歌えるのよ」みたいな気取りがジャマして、
鼻白んだりすることもあるんですけれど、この人にはそれがない。

すっかりファンになって、前作の『TORCH』も買おうとしたところ、曲目を見て、ひるみました。
「恋人よ」「時代」「島唄」なんて、ぼくの大嫌いな曲がずらっと並んでるもんだから、
これはさすがにどうかと思いましたが、『TORCH Ⅱ』での原曲のイメージをがらりと変えた
斬新なアレンジを信頼して手を伸ばしたところ、想像以上の素晴らしさに狂喜乱舞。

あれだけ虫唾が走るイヤな曲が、ここまで抵抗なく聴けるのは、
もちろんアレンジの手柄もありますけど、やはり樹里からんの歌の解釈でしょう。
新時代のジャズ・シンガーと呼ぶにふさわしい、大型新人の登場です!

樹里からん 『TORCH Ⅱ』 ユニバーサル UPCH1855  (2011)
樹里からん 『TORCH』 ユニバーサル UPCH1828  (2011)
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