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【越南紀行その2 ハノイ編】 幽玄なカチューに身を浸して

消え行くカイルオンとは対照的に、ハノイの古典歌謡カチューは政府の後押しも手伝って、
カチューの伝統を継承してきた古老たちによる若手の育成が進み、
2009年にはユネスコの無形文化遺産に指定されるまでに復興したといいます。

カチューを聞けるお寺や旧家が、ハノイの旧市街にいくつかあると聞き、
ハノイに到着してすぐさまガイドさんに訊ねてみると、
旧市街の狭い路地にある小さなお寺に連れて行ってくれました。
ここでは毎週火・木・日曜の夜8時に演奏をしているとのことで、
ヴェトナム入りしたその日が日曜日だったのはラッキーでした。

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入場料は10ドル。入口でヴェトナム語と英語で書かれたパンフレットを渡され、
門をくぐって奥のお堂の中に入ると、仏前の垂れ幕の前に一畳ほどの舞台が用意されています。
手前入口のあたりには20脚くらいの椅子が並べられていて、
集まっていたのは、地元のヴェトナム人ばかりで、
外国人はぼくたち夫婦のほか、アメリカ人観光客が二人いただけでした。

門の外の旧市街の喧騒が嘘のような、ひっそりと静まりかえった空間で、
時がここだけゆったりと流れているように感じたのは、あながち観光客の感慨ではないでしょう。
開演前に蓮茶がふるまわれ、すっかりくつろいでいると、
司会の若い女性が登場し、ヴェトナム語でカチューの解説が始まります。
なんで解説だとわかったかというと、ヴェトナム語のあとに流暢な英語で通訳してくれるんですね。
観光スポットでもないのに、観客に外国人がいると英語の解説をするというのには驚かされました。
おかげでカチューの基礎知識が得られましたよ。

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以前の記事で「カチュー(別名ハット・ア・ダオ)」と書いたことがありましたが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-10-06
あれはちょっと不正確な書き方だったようです。
ハット・ア・ダオというのは、「女性の歌」というカチューの一形式のことで、
ほかにもカチューには、ハット・クア・クェン 「宮廷の歌」、ハット・クア・ディン「村の集会所の歌」、
ハット・ニャー・トー「封建時代の高官の官邸の歌」などの形式があるそうで、
歌い手が交替して、カチューのさまざまな形式を披露してくれました。

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なかでも黒のアオザイを着た年配のご婦人の歌がすばらしく、
奥さんともども感じ入ってしまったんですけど、
入口の門で売られていた2種類のCDを帰国して聴いてみたら、なんとあのご婦人の声。
なんだあ、それならサインもらっとくんだったなあと思いましたけど、
バック・ヴァンというこのご婦人が、あのお寺でカチューを定期演奏している
ハノイ・カチュー・クラブの主宰者だということが、パンフレットを読んでわかりました。

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幽玄という表現がぴったりの、優雅で贅沢な時間を旅行初日の夜にはや体験できて、
ホテルに戻った後も、興奮してなかなか寝付かれなかったのでした。

Bạch Vân "CA TRÙ : TỲ BÀ HÀNH" Thǎng Long no number (2005)
Bạch Vân "CA TRÙ : THÊ NON NƯỚC" Thǎng Long no number (2005)
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