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世界を旅するグナウィ ハッサン・ハクムーン [中東・マグレブ]

Hassan Hakmoun  SPIRIT.JPG

ハッサン・ハクムーン! う~ん、なつかしい名前ですね。
最近とんとウワサを聞かずにいましたけど、
ハッサンの婚約者という日本人女性(!)が
コンサート会場のみで販売しているというCDを持ってきたとのことで、
ご相伴にあずからせていただきました。

ベスト・ライヴ・テイク集ともいうべき内容のこのCD、
世界を旅するグナウィ、ハッサン・ハクムーンらしく、
メキシコ、マラケシュ、ロサンゼルス、ニューヨークでのライヴのほか、
スタジオ・ライヴなど計10曲が収録されていて、
グナーワのトランシーな演奏をたっぷり味わえます。

Zahar  Knitting Factory Works.JPG

ハッサン・ハクムーンといえば、ぼくにとって忘れられないのは、
92年にハッサンのバンドのザハール名義でリリースした“ZAHAR” です。
むき出しのエネルギーを撒き散らす、アグレッシヴなグナーワにノックアウトをくらい、
ハッサン・ハクムーンの名は、即ぼくの脳の海馬に叩き込まれました。
しかしその後のソロ・アルバムでは、エッジがどんどん甘くなっていき、
02年の洗練されたポップ作“THE GIFT” には、すごくがっかりしたものです。

ハッサンが夜の儀式リラで演奏するような、ディープなグナーワを聞きたかっただけに、
素のままのハッサンを聞けるライヴ・パフォーマンスは、ぼくとしては願ったりかなったり。
なかでも聴きものは、ドン・チェリーが参加したトラックでしょうか。
ハッサンとドン・チェリーといえば、
90年のメールス・ジャズ・フェステイバルでトリを務めたことでも知られる名コンビ。
このCDに収められたパフォーマンスは、その一端を聴くことのできる貴重なものといえます。

肉声を引き写したドン・チェリーのポケット・トランペットのフレージングは、
ジャズを越境したプレイヤーだからこそ獲得した音楽性を発揮していて、
93年のリアル・ワールド盤“TRANCE” に参加していたサックス奏者の
手垢にまみれたジャズ屋の手癖フレーズとは、次元の違いを感じさせますね。

ついでに思い出したので、余計なことをしゃべっちゃいますが、
“TRANCE” をハッサンの代表作とみなすのにぼくが反対なのは、
このソプラノ・サックスのイモ野郎が、2曲だけとはいえ参加しているがゆえです。
こいつじゃなくて、ドン・チェリーが参加してればなあ、とつくづく思わずにはおれません。
ドン・チェリーとのメールス・ライヴなども残っていれば、ぜひ聴いてみたいものです。

Hassan Hakmoun "SPIRIT" Healing no number (2007)
Zahar "ZAHAR" Knitting Factory Works KFWCD112 (1992)
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