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新春を運ぶカンコベラ [南部アフリカ]

THE KANKOBELA OF THE BATONGA VOL.2.JPG

新年の聴き初めは、景気づけになる元気な音楽で迎えるのを常としていましたけど、
今年はそっと静かに新年を迎えたい。
そんな気持ちにぴったり合うアルバムが暮れに届きました。
ザンビア、ジンバブウェ国境付近に暮らす
トンガ人のカンコベラ(親指ピアノ)弾き語り集の第2弾です。

誰のために歌うのでもない、自分に向けて歌うモノローグのような歌。
金属弁をはじくたびに、ジィジィと響くノイズが天然イオンのように巻き起こります。
<カンコベラ>という名前がまたいいじゃないですか。
ユーモラスな響きに、思わずうふふと笑みがもれます。
アフリカ各地に点在する親指ピアノのなかでももっともシンプルなタイプのもので、
子供のおもちゃのようなかわいらしさですね。

そんなおもちゃのような楽器を、初老の男たちが慰みに奏でながら歌う、無為無欲な音楽。
ミニマルな小宇宙が、ぽっと目の前に現れるようなカンコベラの弾き語りに、
じっと耳を傾けるもよし、ぼんやり聴くもよし。
2012年が静かに始まりました。

Various artists "THE KANKOBELA OF THE BATONGA VOL.2" St. Sharp Wood Productions SWP039 (2011)
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