レトロなアナトリア娘 セヴジャン・オルハン [西アジア]
いいジャケットでしょ?
古い映画のワン・シーンのような、レトロなファッションに身を包んだ、
トルコのハルク系若手女性歌手セヴジャン・オルハンのアルバム。
思わずジャケ買いしたんだけど、1・2度聴いたきり、そのまんまになっていたのでした。
歌は上手いんだけど、どうも訴えるところが弱いというか、
歌が伴奏に埋没してるような印象で、パッとしなかったんですよね。
先週CDの整理をしていて、棚にしまう前にもう一度と思って聴いてみたら、印象が一変。
あれぇ、こんなに良かったっけか。
サズやギターを中心とした弦アンサンブルに、
クラリネットやドゥドゥクなどの管楽器やガルモンなども加えたハルクらしい伴奏ながら、
レパートリーはトルコ民俗色一辺倒というわけではありません。
バルカン・ブラスを取り入れた曲や、ロックぽいアレンジの曲なども織り交ぜ、
ポップス寄りになりすぎない、ギリギリなところで抑えたプロデュースのさじ加減がいい按配です。
ヴォーカルのインパクトが弱いという印象は、どうやらミックスのせいだったようです。
プロデューサーがプロダクションに力を入れすぎて、
伴奏を聞かせたいがために、歌と伴奏をイーヴンにしたんじゃないのかしらん。
派手なサズの早弾きが出てきたりしますからね。
いずれにせよヴォーカルの押し出しが弱いんじゃ、歌手のアルバムとしてはまずいですよね。
ミックス、やり直してほしいです。
セヴジャンのヴォーカルに集中して聴けば、コブシ回しは達者だし、ヴィブラートも美味。
見かけによらぬ太く力強い声で、色気を求める人には向きそうにありませんが、
歌い上げすぎずさっぱりと歌う自己主張の強くない歌唱スタイルは、ぼく好みです。
Sevcan Orhan "ZEMHERIDEN ÖTESI BAHAR" Özdemir Plak no number (2011)
2012-04-09 00:00
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