アンタヌシのダンス・ポップ ラバザ [インド洋]
カネラ嬢があまりにかわいくって、思わず最初に取り上げてしまいましたけど、
ひさしぶりに、マダガスカルの地元CDをあれこれ手に入れました。
マルヴァニの名手トンボ・ダニエルや、マダガスカル特有のブラスバンドなど、
その中身はさまざまなんですけど、ディスクがどれもCD-Rというのは、少々残念。
とはいえ、内容はいずれもしっかりとスタジオで制作されたものばかりで、
なかにはそのまま世界で通用しそうなクオリティのものもあります。
これだけのものがありながら、国外に流通しないのは、もったいないですね。
なかでも注目したいのは、2001年に結成されたラバザというグループ。
マダガスカル南東部、トゥリアラ州アヌシ地方フォール・ドーファン出身のグループで、
この地方に暮らすアンタヌシ人の伝統的なダンス音楽を現代化し演奏しています。
ここのところマダガスカル南部の音楽に注目を集まるようになり、
南西部の町チュレアールで盛り上がるツァピキは世界にも届くようになりましたが、
ラバザは同じ南部でも、東側のアヌシ地方の伝統音楽をベースとしています。
ラバザが演奏するのは、ダンス音楽のカトレハキ、冠婚葬祭の音楽サランドラ、
トランスするための儀式音楽カラタキというアンタヌシ人の伝統音楽だそうで、
アンタヌシの民俗楽器にベースとドラムスを導入し、ダンス・ポップに仕上げています。
ちなみにドラムスは、ベース・ドラム抜きのスネア、ハイ・ハット、フロア・タムのみのセットです。
リーダーのR・クリスト・ベニーが、素朴な手製の弦楽器ピティキ・ランガイを掻き鳴らし、
男女コーラスを従え、目の覚めるようなビートで駆け抜けるんですが、これがスゴイ。
ぴちぴちと飛ぶ跳ねるハチロクや、疾走する4分の4拍子の小気味良さは、目の覚めるフレッシュさ。
キレのある掛け声や指笛も乱れ飛ぶ、圧巻のダンス・ミュージックですが、
イキオイ一辺倒でなく、コーラスのハーモニー・アレンジなどはよく練られています。
欧米のディストリビューターの目にひっかかれば、
このまま世界デビューできること、確実な傑作じゃないですかね。
ぜひWOMEXなどを通じ、世界に飛び出てほしいものです。
Rabaza "MITSANGANA ZANARAY" Tropik Prod/Super Music Pro no number (2009)
2012-04-13 00:00
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