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バガモヨの海風の思い出 ザウォーセ・ファイヴ [東アフリカ]

Zawaose Five  Dunia Ya Sasa.JPG

故フクウェ・ザウォーセの音楽を引き継いで活動する、
ザウォーセ・ファミリーの新作がリリースされました。
フィンランド外務省が基金を拠出した、
タンザニアの若手音楽家育成プロジェクトの一環で制作されたアルバムのようです。

ザウォーセ・ファミリーのアルバムでは、
リアル・ワールドから出たアルバムが日本でも話題になりましたけど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-06-04
リアル・ワールド盤が11人のメンバーによる演奏だったのに比べ、
本作は若手を含む5名の選抜メンバーの演奏となっていて、
だから「ザウォーセ・ファイヴ」なんですね。

リアル・ワールド盤より音数が少ないぶん、
各楽器がクリアに聞こえるのが本作の聴きどころでしょうか。
親指ピアノのリンバ、弦楽器のゼゼなど、フクウェ・ザウォーセのアルバムでおなじみの楽器が
目の前で演奏しているような録音のなまなましさが嬉しいですね。
しっかりとアレンジされ、プロデュースされていたリアル・ワールド盤に比べると、
こちらはもっと普段着姿の演奏というか、リラックスした雰囲気を味わえます。

大勢の男女コーラス入りだったリアル・ワールド盤のような華やかさはないものの、
インティメイトな雰囲気を求めるなら、こちらでしょうか。
フクウェ・ザウォーセの96年の代表作“CHIBITE” や、
甥のチャールズ・ザウォーセとの共演作“MKUKI WA ROHO” でも歌われた
おなじみの“Chilumi” に、ンゼゼとイリンバを伴奏に歌われる“Chugulu” が聴きものです。

このアルバムを聴いていたら、90年にフクウェ・ザウォーセさんを
バガモヨのご自宅に訪ねていった日のことをふいに思い出しました。
ザウォーセさんのすばらしい歌とイリンバ演奏を堪能させてもらったあとに、
夢見心地のまま、小さなバガモヨの町を散策したのです。

19901219 Bagamoyo 1.JPG

19901219 Bagamoyo 2.JPG
ぎらぎらとした太陽が降り注ぐ午後、
人気のなくなった浜辺を歩いていると、
さきほど聴かせてもらったばかりのイリンバの残響が
インド洋からの強い海風とまじって、
耳の奥で反響するのでした。
いつまでも耳残りする音の快楽に、
このまま時間が止まってくれたらと思ったことは、
いつまでも忘れられません。

Zawose Five "DUNIA YA SASA" Uulu UULU0003 (2010)
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