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クラシカルでモダンなコンテンポラリー・ショーロ ヴァリエダージス・コンテンポラネアス [ブラジル]

Variedades Contemporâneas.JPG

楽しみにしていたアミルトン・ジ・オランダ・キンテートの新作、
『ブラジリアーノ』第3弾の出来ががっかりで、しおしお。
そこでふと気付いたのは、最近ショーロの新作をちっとも聴いてないこと。
名のあるプレイヤーのアルバムじゃなくて、無名のグループやプレイヤーを聴きたいなと、
ショーロのコーナーをチェックしていたら、このアルバムが目に留まりました。

ヴァリエダージス・コンテンポラネアス?
ぜんぜん知らないグループ名。こういうのがいいんですよ。
ショーロはアマチュアの音楽。インディ制作のアルバムにこそ、お宝が眠っています。
ブラジル南部パラナ州都クリチーバのグループとのことで、
ぼくの大のお気に入りのハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシが
参加しているとあっては、聴かないわけにはいきません。

ピアノ、フルート兼サックス兼パーカッション、ハーモニカ、カヴァキーニョに、
ベース、ドラムスのリズム・セクションというユニークな編成で、
ラダメース・ニャターリやラエルシオ・ジ・フレイタスの系譜に連なる、
ピアノをメインに据えたショーロ・グループです。
そのラエルシオ・ジ・フレイタスも、ピアノとアレンジで1曲ゲスト参加していますよ。
ドラムスとベースが加わっていても、アミルトン・ジ・オランダ・キンテートのような
プログレッシヴな演奏を聞かせるグループではなく、正統派のショーロ・グループです。

レパートリーは、ラエルシオ・ジ・フレイタスの1曲を除き、すべてメンバーの自作曲。
新緑の映える今の季節にぴったりなすがすがしい曲揃いで、
どの楽曲もショーロらしい歌心にあふれています。
シキーニャ・ゴンザーガやエルネスト・ナザレーを思わすクラシカルなメロディに、
モダンなリズム・アレンジが交叉するという、ショーロの古典的な味わいと、
コンテンポラリーなリズム・センスがバランスよく両立した作品に仕上がっています。

メンバーはいずれも実力者揃い。ガブリエル・グロッシのハーモニカ・プレイばかりでなく、
ヒラメキのあるフレーズの連続に、ハッとさせられっぱなしです。
そして、アルバム・ラストのおちゃめなアレンジにも、頬を緩まされました。
アーティスティックでシリアスなショーロが多くなるなか、
こういう純粋な娯楽としてのショーロの味わいが、最近は忘れられがちですね。
そんな遊びゴコロたっぷりの演奏を最後に聞かせてくれ、
アルバムの聴後感をさらに気持ちよいものにしてくれています。

Variedades Contemporâneas "VARIEDADES CONTEMPORÂNEAS" Sete Sóis DPR1316 (2010)
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