沸騰するンバラ アブ・チュバロ [西アフリカ]
セネガルのンバラ、絶好調です。
ヨーロッパの配給先が撤退してしまったため、セネガル盤がほとんど国外に流通せず、
ここ10年近く、現地シーンをまったく知らずにすごしてきましたけれど、
近作をまとめて入手することができ、その充実ぶりに目を見張りました。
まっさきにヴィヴィアンのアルバムを紹介しましたけど、ほかにも力作が目白押し。
感心させられたのは、ヴェテランばかりでなく、聞いたことのない名前の新人たちが、
こぞってアルバムをリリースしていたこと。その内容がいずれもすばらしいのだから、
いかにンバラのシーンが沸騰しているかわかろうというものです。
最新ヒット曲のPVを集めたDVDも手に入れたんですが、次々と知らないシンガーが現れ、
歌にダンスに個性あふれるパフォーマンスを繰り広げていて、豪華絢爛そのものでした。
その中の1曲、ウスマン・セックのクリップでは、セネガルの伝統衣装に身を包んだ
日本人女性ダンサーたちがダンスしまくっていて、あっけにとられました。
セネガルのPVに出演するとは、最近の日本人の活躍ぶりにおそれいるばかりです。
アブ・チュバロという名の男性シンガーも初めて知りましたが、
くぐもったスモーキー・ヴォイスでパワフルに歌う、すばらしいシンガーです。
79年ダカール郊外のピキンの生まれというので、
デビュー作とおぼしき09年の本作は、ちょうど30になるかならないかという年齢ですね。
力のこもったアブの歌声をバックから煽る、伴奏陣のはじけっぷりも申し分なく、
パーカッシヴなンバラの魅力を満喫できる傑作に仕上がっています。
よくしなるビートとシャープなブレイクの対比も鮮やかで、
サバールとタマが連打されるアンサンブルもド迫力です。
打ち込みを使わない生演奏で、これほどイキイキとしたプロダクションを聞かせるのは、
世界広しといえ、ここセネガルぐらいなものじゃないでしょうか。
Abou Thioubalo "SOLUTION" Prince Arts no number (2009)
2012-06-12 00:00
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