カンタンテの中のカンタンテ チェオ・フェリシアーノ&ルベーン・ブラデス [カリブ海]
年1ペースで聴くサルサ新作。
今年はチェオ・フェリシアーノとルベーン・ブラデスの共演作に決定ですっ!
大物同士の共演アルバムに、普段は食指の動かないぼくですけれど、
今年の初めにティテ・クレ・アロンソのトリビュートDVDで、
チェオの円熟ぶりにカンゲキしたせいもあって、飛びついちゃいました。
チェオのオヤジ声、たまらんのですよ。
堂々とした男っぷりは、いつ聴いてもグッときちゃいますね。
チェオの人間味あふれる歌声は、器の大きさともども大人の男の余裕を感じさせ、
その懐の深い歌声の魅力に、カンタンテの中のカンタンテと言いたくなります。
本作は7年がかりの構想のもと実現したんだそうで、
ルベーンが観光大臣の職を終えた2009年以降、
具体的にプロジェクトが進められたとのこと。
音楽監督は、プエルト・リコのヴェテラン・プロデューサー、
ルイス・ガルシアが務めています。
チェオ・フェリシアーノとルイス・ガルシアといえば、
ジョー・クーバ時代の同僚ジミー・サバテールと共演した
88年の“COMO TU LO PEDISTE” という大傑作をものにしたコンビなので、
申し分のない布陣ですね。
久しぶりに“COMO TU LO PEDISTE” を取り出してみたら、
なんとバック・インレイには、ルベーン・ブラデスによる
長文の献辞が寄せられているじゃありませんか。
う~ん、今回の共演作は、作られるべくして
作られたものだったということですか。
そして本作も“COMO TU LO PEDISTE” と同様、
ヴィブラフォンを配したホーンズ抜きの編成で、
ジョー・クーバのサウンドを踏襲した
サルサを聞かせてくれます。
オープニングのオリシャに捧げたチャント“Niña” から快調そのもの。
ルベーンもチェオに負けず、味のある歌いっぷりを聞かせていて、
“Sun Sun Babae” のフレーズを差し挟んだりするところなんて、ニクイばかり。
チェオの71年の傑作“CHEO” 収録曲のティテ・クレ・アロンソ作
“Franqueza Cruel” をルベーンが歌っているなんてのも、嬉しくなっちゃいます。
チェオの歌いぶりにいたっては、もう何をかいわんやです。
76歳のチェオの方が、63歳のルベーンより声に潤いがあるんだから、脱帽ですよ。
レパートリー交換でチェオは、ルベーンの78年の名作“SIEMBRA” から“Dime” を歌っています。
この曲がチェオの歌で聴けるとは思いませんでしたねえ。
76年のファニア・オール・スターズ来日で聴いた、
チェオのナマ声が忘れられないぼくには、最高のアルバムです。
Cheo Feliciano & Rubén Blades "EBA SAY AJÁ" Ariel Rivas Music ARMX8255 (2012)
Cheo Feliciano "COMO TU LO PEDISTE" Coche CRS364 (1988)
2012-06-14 00:00
コメント(2)
さっそく聴いてみました。いいですね。チェオは言うまでもなくルベーン・ブラデスの予想より渋い歌声が印象的でした。バンド編成も二人の歌声によく合っている感じがしました。
思えば高校時代に非ロック的な音楽に初めて触れたのがチータのライブでした。なんといっても当時の衝撃は「ドラムスが無い!」(笑)。中でも一際引かれたのが、サントス・コローンとチェオ・フェリシアーノの渋い声。その後、アワ・ラテン・シングでのアナカオーナを見て、そのかっこよさにほれ込んだものでした。最近めっきりサルサの情報を聞かなくなりましたが、例のトリビュートDVDを見るに、地元にしっかり根を下ろして活躍しているようですが、実際のところはどうなんでしょうか。気になることろです。
by Niam Niam (2012-07-04 14:20)
チェオはプエルト・リコで悠々自適なんでしょうか。
ぼくもサルサの情報はさっぱりなんで、よくわからないんですけれど。
サルサ新作のジャケットって、メンバーが居並んでるだけのセンスのないのが多くって、
ジャンル全体の沈滞ぶりが表れているような気がしてなりませんけど、
このアルバムのジャケット・センスの良さは、画期的ですね。
by bunboni (2012-07-04 21:10)