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ノンラーとザンカー ホン・ハイン [東南アジア]

Hong Hanh  QUE MINH.JPG

ヴェトナムのCDで笠をかぶっているジャケットを見ると、
このアルバムはザンカー(民歌)ですよーっと呼ばれているようで、素通りできないですね。
若手女性歌手ホン・ハインのアルバム、これが3作目だそうです。
同名の歌手がいるので、こちらは「若い」ホン・ハインと言われているようですが、
過去作を調べてみたら、1・2作目ともに笠着用でした(笑)。
ノンラーと呼ばれるヴェトナム笠は、ザンカー歌手のお約束ですね。

聴いてみると、これが胸に沁みるなかなかいいアルバムで、
北部民謡に影響を受けたロマンティックな佳曲が並んでいます。
主役のホン・ハインはべらぼうに歌がうまい人で、伸びのあるハイ・トーンがキレイすぎるほど。
あまりにキレイすぎて、情感に欠けるうらみもありますけれど、
高音の伸びに歌い上げ感がないので、押し付けがましさがなく、爽やかに聞けます。

バックにダン・バウ(一弦琴)、ダン・チャン(箏)、笛をフィーチャーし、
ヴェトナム情緒をふんだんに散りばめたザンカーらしいサウンドが楽しめます。
シンセを控えめながら効果的に使い、ドラムスとベースのリズム・アレンジにも工夫の跡が見られ、
スロー/ミディアム系中心のレパートリーを飽きさせることがありません。

粒ぞろいの楽曲に、デリケイトに作りこまれたプロダクションと、
なかなか隙のない仕上がりとなっているんですが、
プロデュースをホン・ハイン自身がやっていると知って、ちょっとびっくり。
わずか3作目でセルフ・プロデュースをし、これほどの作品を仕上げてみせるとは、
大衆歌謡歌手らしからぬ才能ですね。
ホン・ハイン、これからも要注目の歌手として目が放せなくなりそうです。

Hồng Hạnh "QUÊ MÌNH" Thăng Long no number (2011)
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