ウクレレ小唄 ジャネット・サイデル [太平洋・オセアニア]
かわいいマンガのジャケットに手が伸びました。
ジャズ・ヴォーカルのアルバムでこういう茶目っ気があるのって、いいじゃないですか。
オーストラリアで活躍するピアノ弾き語りの女性ジャズ・シンガーの旧作で、
試聴してみたら、これがすこぶるいい出来。
なんとウクレレをフィーチャーして、スウィート・ヴォイスを聞かせているんですよ。
おっしゃ、いただきます!と思ったものの、マンガ・ジャケは日本盤。
たしかにこの女子ぽいデザインは、どー見たってメイド・イン・ジャパンですよねえ。
あーあ、じゃあオリジナルのオーストラリア盤は違うジャケットなんだろうなあと思って調べてみたら、
オーストラリア盤も日本盤と同じデザイン。
やったー、と喜び勇んでオーダーしてみたら、なんてことはない。
このアルバムは日本制作だったらしく、日本盤の方がオリジナルなのでした。
なんでえ、と思わずオーストラリア盤にぼやいてしまいましたけど、
気を取り直してじっくり聴いてみると、いやあ、このアルバム、すごくいいですねえ。
ピアノ、ギター、ベースのトリオ編成で、ドラマーが一部加わるという構成なんですけど、
ギター担当が持ち替えでウクレレも弾いているんです。
ウクレレを使っているからといって、特にハワイ音楽を意識しているわけでなく、
ハワイアンのレパートリーはタイトル曲のみ。
プラターズの曲を取り上げたり、「デリカード」を歌っているのも意外でした。
ライナーにあるご本人の解説によると、
「デリカード」はパーシー・フェイス楽団の演奏で知ったというのだから、面白いですね。
選曲からしてじっくり構えて歌うような曲がなく、
どれもさらっと軽くスウィンギーに歌っているところが、すごくいい感じ。
フェイクを使わないストレイトな歌いぶりも、きっぱりしてていいですね。
肩の力の抜けたそのリラックスした歌いぶりは、ジャズ・ヴォーカルというより小唄といった趣ですよ。
根っから明るそうなジャネットの陽性の声が、ウクレレの軽やかな響きとよくマッチして、
風通しのいいサウンドが、暑さ負けしている頭をリフレッシュさせてくれます。
Janet Seidel "MOON OF MANAKOORA" La Brava Music LB0068 (2005)
2012-09-04 00:00
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