ミスター・ババルー生誕100周年記念日 ミゲリート・バルデース [カリブ海]
今日はミゲリート・バルデース生誕100年記念日。
ラテン音楽史に残る名歌手の記念日だというのに、
ぜんぜん話題にも上らないってのは悲しい話ですね。
これも生前ミゲリートが、生年をさんざんごまかしてた報いなんでしょうか。
1966年のミゲリート来日の際、中村とうようさんがインタビューした時には、
1914年9月6日生まれと答えていたのが、
のちのインタビューで1916年、さらに後で1919年と答えていて、
どうもミゲリートはいつもサバを読んでいたみたいなんですね。
今では本当の生年は1912年であることが知られています。
ぼくにとってのミゲリート・バルデースの最高傑作といえば、
1942年のマチート楽団との録音。
このセッションをまとめてCD化したスペインのトゥンバオ盤は、
いったいどれだけ聴いたことか。
それまでもミゲリート・バルデースのレコードは何枚も聴いてましたけど、
この戦前録音を聴いた時のショックがデカすぎて、
戦後の録音が一気に色褪せた感じがしましたからね。
この濃厚なエキゾティシズム! 十八番の「ババルー」こそ歌っていませんけど、
厚みのあるミゲリートのダイナミックな歌いぶりに、ノックアウトをくらいました。
アルセニオ・ロドリゲスやベニー・モレーのように、
民俗性をシリアスに表現したキューバ音楽ももちろんすばらしいんですけど、
2歳でセリア・クルースとソノーラ・マタンセーラの偽アフロのポップ・ルンバを
身体に染みこませてしまったぼくにとっては、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-07-16
ミゲリートのむせかえるような偽アフロ音楽が、ジャスト・フィットだったんですよねえ。
のちにこのCDが2枚の10インチ盤をカップリングしたものだということを知って、
必死にその10インチ盤を探したっけなあ。やっとその2枚が手に入ったと思ったら、
今度はその10インチ盤がSPアルバムをLP化したものだということを知り、
くっそう、そんじゃそのSPアルバムも探したるわいとムキになって探したりして。
SPは集めない主義ですけれど、
SPアルバムはヴィジュアルの楽しみも
あるからと自分に言い訳しつつ、
初めて買ったSPアルバムが、
ミゲリートの“BIM BAM BOOM” でした。
SPアルバムに解説ブックレットが
入っているなんてことも、この時初めて知りました。
今日はミスター・ババルー生誕100周年をお祝いして、
SPアルバムと10インチ盤を飾りながら、
「気は優しく力持ち」を地で行った
ホンモノの男らしさあふれるミゲリートの歌を、
新旧いろいろ聴いてみようと思います。
Miguelito Valdes with Machito and His Afro-Cubans "CUBAN RHYTHMS" Tumbao Cuban Classics TCD008
[10インチ] Miguelito Valdes with Machito and His Afro-Cubans "BIM BAM BOOM" Decca DL5113
[10インチ] Miguelito Valdes with Machito and His Afro Cubans "AFRO CUBAN MUSIC" Decca DL5281
[SPアルバム] Miguelito Valdes with Machito and His Afro-Cubans "BIM BAM BOOM" Decca A344
[SPアルバム] Miguelito Valdes with Machito and His Afro Cubans "AFRO CUBAN MUSIC" Decca A355
2012-09-06 00:00
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