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輝ける王道のアラブ歌謡 マジダ・エル・ルーミー [中東・マグレブ]

Magida El Roumi  Ghazal.JPG

おおっ。
まばゆいばかりの輝きを放つ王道のアラブ歌謡に、思わずひれ伏しそうになりました。
アラブ歌謡の黄金時代を思わせるゴージャスなフル・オーケストラが、
ドリーミーに鳴り響く荘厳なプロダクション。
こんな大エンタテインメント・アルバムの前には、どんなシャバービーもハリージも消し飛んじゃいますね。

レバノンの大ヴェテラン歌手マジダ・エル・ルーミーの6年ぶりの新作。
前作がリリースされた時も、ずいぶんひさしぶりの新作といった印象がありましたけれど、
この長いインターバルは、もはやフェイルーズなみの貫禄を感じさせます。
とはいえ、女神クラスの孤高の存在となったフェイルーズと違って、
マジダの親しみやすさは昔のまま。隣のお姉さん的な雰囲気はずっと変わりません。

なんだか化粧品の宣伝みたいな、潤いのある美肌のお顔が写るジャケットも若々しく、
そのみずみずしい歌声は近年のシャバービー・シンガーにはない、ふくよかさがあります。
レパートリーがまた多彩で、クラシカルなアラブ歌謡あり、ミュージカルふうナンバーあり、
タンゴあり、ダブケありと、めくるめくアラブ歌謡版ディズニー・ランドといった趣。

本作の目玉は、87年の大ヒット曲“Salawna” を
父親のハリーム・エル・ルーミーとデュエットした8曲目でしょうか。
ハリームはフェイルーズにラハバーニ兄弟を引き合わせたレバノンの大音楽家で、
二人はまさしくレバノンを代表する親娘といえますね。

冷厳なフェイルーズとは対極の、母性的な温かみにあふれた女性的な歌声は誰にも愛されるもの。
マジダの歌声は、レバノンの国民的アイドルといったニュアンスを感じますね。

Magida El Roumi "GHAZAL" V. Production no number (2012)
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