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色香薫るトルコ古典歌謡 シェヴァル・サム [西アジア]

Sevval Sam  TEK.JPG

待ってました!
歌手兼女優のトルコの才媛シェヴァル・サムが放つ古典歌謡アルバム第2弾。
06年のデビュー作“SEK” のみずみずしい古典歌謡に衝撃を覚えた当方としては、
待ちに待った企画。やっぱ、この人の魅力は、古典でこそ輝きますねえ。

“SEK” 以降、毎回異なる企画でアルバム制作を重ねてきたシェヴァル。
クラブ系ミクスチャー、黒海沿岸歌謡、アラベスク古典と、
その意欲的な姿勢は高く買うものの、正直“SEK” 以上の満足は得られませんでした。

で、今回再度古典歌謡に取り組んでくれたわけなんですが、
う~ん、やっぱこの人のこぶし使いは、めちゃくちゃ色っぽい。
「触れなば落ちん」といった、しなだれるようなこぶし回しは、シェヴァル独特の個性ですね。
デビュー作を聴いた時、こんなにアダっぽい古典歌謡があるのかとノケぞったものですけど、
今回も全編で艶っぽいヴォーカルを発揮していて、もうメロメロです。

2枚組というヴォリュームながら、どちらも40分弱の収録時間なので、
分量的にはアルバム1枚とたいして変わりません。
ディスク1のオープニングで、前奏のペシュレヴから始まるという
古典声楽の形式にのっとった構成になっているのは、デビュー作と同じ趣向。
器楽パートのペシュレヴに続いて切れ目なく歌い出すレパートリーも、
ゼキ・ミュレン、サーデッティン・カイナク、ミュゼイェン・セナールなど、
これまたデビュー作と同じ趣向で、まさしく“SEK” の続編となっています。

シェヴァルの風が舞うような歌いぶりは、
古典歌謡の格調高さを妙に意識させることもなく、どこまでも爽やか。
崩れ落ちるようなこぶし回しはデビュー作より安定感をみせ、
ますます妖しさを増しています。

今年はミネ・ゲチェリやアスルハン・エルキシとトルコ古典歌謡の充実作が続き、
年間ベスト10にどれを選ぶべきか、こりゃ悩ましいですね。

Şevval Sam "Ⅱ TEK" Kalan CD575 (2012)
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