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クメール・ポップの名花 ハム・スィーウォン

VOL.55  TUNYAI BANWEILIR.JPG   VOL.130  PLEYKARMORIN KARAN.JPG

カンボジアのポップス(クメール・ポップ)CDというと、
男女数人の歌手がかわるがわる歌うオムニバス形式のものばかり。
単独アルバムがほとんどないのは、
カンボジアのポップス・シーンがまだ成熟していない証拠でしょうね。

クメール・ポップのダウンロード・サイトは、たくさん見つかるんですけれど、
フィジカルのCDが入手しずらく、ぼくもカンボジア盤はほんの少ししか持っていません。
そんなわずかばかり持っているカンボジア盤のなかで、特にお気に入りなのが、
カンボジアのトップ・シンガーとみなされている女性歌手のハム・スィーウォン。

伝統歌謡からタイのルークトゥンみたいなポップスまで幅広く歌う人なんですけれど、
はじめて手に入れたハム・スィーウォンのCD“TNGAI BAN VELEAR” が大当たり。
胡弓や太鼓などカンボジアの伝統楽器を全面的にフィーチャーし、
ベースとドラムスのリズム・セクションが控え目にバックを付けたもので、
これほど伝統色を強く打ち出したクメール・ポップはぼくも初めて聴いたので、
すっかりカンゲキしてしまいました。

コロコロとしたクメール語独特の発声でチャーミングに歌うハムの明るく健康的な表情は、
カンボジアという国の若々しさと歴史ある伝統の双方を、見事に表現しています。
このCDはハムが奇数曲を歌い、偶数曲を男性歌手のイエン・シトゥルが歌っているんですが、
イエンも練れたこぶし回しを聞かせ、伝統的なクメール歌謡の楽しさを満喫させてくれます。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-09-27

ゆったりとしたテンポのロアム・ヴォンは、男女が円陣で内側と外側の二列に並んで
優雅に手踊りする盆踊りを起源とする踊りです。
ロアムは踊り、ヴォンは仏教用語で日本語と同じ「盆」を意味し、まさに「盆踊り」というわけ。
足を交差させて前進するアップテンポのロアム・クヴァイは、タイの影響を受けた踊りとのこと。
なるほどルークトゥンやポップ・モーラムのリズム感にも似ているわけですね。

いやー、こんなアルバムがゴロゴロあるなら、
クメール・ポップにのめりこもうかと一瞬思ったんですが、
ハムが歌っているCDをその後何枚か手に入れたものの、
どれもハコバンふうのバンド演奏をバックに歌ったものばかりで、
90年代のルークトゥンみたいなサウンドは、
残念ながら外国人リスナーの耳をソソるものではありません。
結局、伝統色強いサウンドのアルバムは、この1枚しか出会えませんでした。

むしろポップスでなく、伝統音楽のアルバムでハムが歌っているCDを1枚持っています。
二胡のトロー・チェー、三弦の弦楽器チャペイ、太鼓のスコー、小型シンバルのチンなど、
7種類の民族楽器が表紙に写っているとおり、伝統楽器のアンサンブルをバックに歌ったもので、
タイトルから察するに、婚礼音楽のプレーン・カーのようです。

こんな純伝統音楽のアルバムが、コマーシャルなポップスのレコード会社から出ているのも
面白いといえますが、膨大な数のポップス・アルバムの中から見つけ出すのは至難の技。
伝統系のアルバムは、クメール・ポップのメインストリームではないので、
プノンペンのCD屋にでも行って漁ってこない限り、このテのアルバムは手に入りません(泣)。

クメール・ポップのプロダクションがもう少し成熟して、
クメール歌謡のメロディを生かしつつ、伝統音楽の要素を取り入れるような動きが出てきたら、
今のヴェトナムみたいに面白くなると思うんですけれどねえ。
ハム・スィーウォンのような才能あるシンガーが、
より輝けるようなアルバムづくりを期待したいものです。

Him Sivorn and Eang Sithul "TNGAI BAN VELEAR" Rasmey Hang Meas 55
Yin Sarin, Him Sivorn, Sat Serey Yong and Eang Sithul "PLENG KAR MORIN KARAN" Rasmey Hang Meas 130
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