シンと冷えた冬の夜に ハイディ・シャルヴァ [北ヨーロッパ]
寒い、寒いと騒いでみたところで、季節は変わっちゃくれないので、
こういう時こそ、北欧の音楽を聴きましょうかね。
しんと静まった深夜に、アツアツの生姜入り紅茶を飲みながら聞いている
ノルウェイの女性シンガー、ハイディ・シャルヴァの新作。
一応ジャズにカテゴライズされているハイディですが、
いわゆるジャズ・ヴォーカル的な唱法はまったくしない人。
ウイウイしい声とストレイトな歌いぶりは、トラッドやフォークを歌うのに向いていて、
伝統歌とオリジナル曲を半々とした今回の新作は彼女にぴったりです。
静謐ながら耽美すぎない曲の良さを引き立てるように、
クリアーなハイディの歌声がリリカルな詩情を紡いだアルバム。
ピアノ、ベース、バリトン・サックスの3人のバックも、
最小限にして効果的な音を残していきます。
バリトン・サックスとユニゾンでリルティングを聞かせる短い曲や、
メンバーの男性たちとリルティングした曲を交えているのが、とてもいい感じ。
ジャズの語法を用いずに伴奏を付けるところが好感を持てます。
ノルウェイにはこういうフォーク・ジャズというか、
トラッド・ジャズみたいなジャンルがあるんでしょうか。
以前、ノルウェイの伝統歌をジャズに料理したダーグ・アーネセン・トリオを
ずいぶん愛聴したものですが、このハイディ・シャルヴァも手放せない一枚となりそうです。
Heidi Skjerve "VEGEN ÅT DEG" Øra Fonogram OF036 (2012)
2013-02-19 00:00
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