オールド・キューバン・テイスト マヌエル・ガルバン [カリブ海]
最初このCDを見て、チカーノ・ロックだとばっかり思ってました。
こんなジャケットで、まさかキューバ音楽だとは想像さえしませんでしたねえ。
マヌエル・ガルバンという名前も聞いたことがなく、
60年代にドゥーワップ・コーラスで、キューバの若者の間に人気だった
ヴォーカル・グループ、ロス・サフィーロスのギタリストと言われても???
ぜんぜん知らないなぁ、そんな人と思ったら、
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に参加し、ライ・クーダーとも共演作を出しているとのこと。
アンチ「ブエナ・ビスタ」のぼくが、そのアルバムを聴いているはずもなく、
それじゃあこれも聴く必要ないやと決め込んでたんですが、
心あるキューバ音楽ファンのみなさんがホメてるものだから、
さすがに気になって聴いてみました。
いやあ、びっくり。すんばらしいじゃないですか。
ラウンジーなチャチャチャに始まり、ボレーロやソンを、
ブルースやボサ・ノーヴァなどとミクスチャーしたこのアルバム。
従来のキューバ音楽の型に捉われず、アメリカやブラジルの音楽を柔軟に取り入れながら、
仕上がりはキューバ音楽以外のなにものでもないと誇れる、
極上なまろやかさを獲得しているんだから、まいってしまいます。
ゲストのトリオ・エスペランサが歌った“Bossa Cubana” なんて、
ボサ・ノーヴァでかつオン・クラーベですからね。
ゲストたちが弾く楽器がこれまたユニーク。
バンドネオン、ブルース・ハープ、コラ、フラメンコ・ギターまでもが、
違和感なくガルバンの音楽になじみ、
オールド・キューバンなテイストを放つのだから、頬がユルみます。
ガルバン自身のギターもぜんぜんテクニカルでないところが、いい味となっています。
キューバでドゥーワップをやっていたような音楽家だからこそ、なし得たミクスチャー。
非主流の音楽家が生み出したトロけるようなエレガンスは、フィーリンにも通じます。
[CD+DVD] Manuel Galban "BLUE CHA CHA" Montuno/Concord Picante CPI33646-00 (2012)
2013-03-03 00:00
コメント(2)
毎年桜の咲くこの季節の「定番」となりました。なんだかウキウキするんですよー(^^♪ アルバム・タイトルの“Blue Cha Cha”の“You made me feel like dancing up and down the street”って感じかなあ(笑)
“Y Deja”のギター・ソロなんかキュート。「ぜんぜんテクニカルでないところが、いい味」そのもの。
“No te importe saber”のギターを聴くと何故かいつも涙が出て来てウルウル…。
SPEZIAL の エレクトリック・ギターも Vintage 感横溢でカッコイー!天国でもこのギターで弾いていらっしゃるでしょうね、きっと。
by ペイ爺 (2018-03-25 00:13)
う~ん、たしかに、桜の季節に合いそう。
久し振りにぼくも聴いてみよう。
by bunboni (2018-03-25 00:25)