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伝説のポップ・インドネシア ボブ・トゥトゥポーリ [東南アジア]

Bob Tutupoly  THE LEGEND IS BACK.JPG

『インドネシア音楽歴史物語』で強く印象に残ったのが、
ボブ・トゥトゥポーリの「マンデ・マンデ」です。
まるで<インドネシアのフィーリン>じゃないかというシャレた仕上がりに、
こんな人がインドネシアにいたのかと、びっくりさせられました。
ハーモニー・コーラスをフィーチャーし、斬新なジャズ・アレンジを施した「マンデ・マンデ」は、
当時高校生だったボブが小遣い稼ぎのつもりで吹き込んだ
デビュー・レコーディングだったというのだから、のけぞります。

そんなわけで、ボブ・トゥトゥポーリの名前は即ぼくのアタマに叩き込まれたのですが、
そんな折も折、CDショップでボブ・トゥトゥポーリの新作を見つけちゃいました。
あれ、今もアルバムを出しているのかと手にとってみると、
タイトルは“THE LEGEND IS BACK” とあります。
これは、シーンからしばらく遠ざかっていたけれど、現役復帰したという意味なんでしょうか。

なんであれ、これは聴いてみなくてはと、さっそく買ってみたところ、
懐かしい90年代風のフュージョン・サウンドににっこり。
こういうサウンドを聴いてすぐに思い浮かぶのは、マレイシアのシーラ・マジッドですね。
マック・チュウとジェニー・チンのコンビが手がけたプロダクションをホウフツとさせるサウンドに、
すっかり嬉しくなってしまいました。

50年代後半の「マンデ・マンデ」のあと、
ボブ・トゥトゥポーリはポップ・インドネシアのシーンをリードし、
70年代には数々のヒット曲をとばしたのだそう。
ヘティ・クース・エンダンのヒットで知られる「ウィドゥリ」を最初に歌ったのもボブで、
本作にも「ウィドリ」の英語ヴァージョンが収録されています。

そんな伝説の男、ボブ・トゥトゥポーリの新作は、
なめらかな歌いぶりがラグジュアリーなムードを誘う、
上質のAORといえるポップ・アルバム。
デビュー当初から変わらぬモダンなセンスが発揮されています。

Bob Tutupoly "THE LEGEND IS BACK" Le Moesiek Revole EM0016 (2011)
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