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レユニオンのクレオール・ポップ イェラ [インド洋]

Yela  MA KALOU.JPG

世界的なマーケットにのることなく、レユニオン島の中だけで流通しているアルバムは
かなりの数があるようですが、入手するのが難しくてフォローするのもひと苦労です。
今回いくつか聴くことのできたレユニオンのアルバムの中では、
ファブリース・ルグロがダントツの出来でしたけど、
このイェラという女性シンガーのアルバムもなかなかポップで、気に入りました。

ぼくの大好きなマルチニーク出身のジャズ・ピアニスト、マリオ・カノンジュが全面参加し、
リシャール・ボナの良きライヴァルのカメルーン人ベーシスト、
エティエンヌ・ンバッペも1曲参加しているんですよ。
エティエンヌはボナほどの知名度はまだありませんが、
ザヴィヌル・シンジケートで活躍し、ジョン・マクラフリンなどとも共演した人。
フーン・タンの『ドラゴンフライ』にボナとともに参加してるといえば、
ワールド・ファンも興味をそそられるかな。
この二人が脇を固めているんだから、サウンド・クオリティはばっちりですね。

イェラはセガやマロヤといった地元レユニオンの音楽はもとより、
マダガスカルのサレギにアフロビートやグナーワまで取り入れ、
ソウル/ジャズのテイストで無理なくミックスした、クレオール・ポップに仕上げています。
イェラのチャーミングなヴォーカルがさわやかなタイトル曲では、
マリオ・カノンジュのスウィンギーなピアノ・ソロも楽しめます。

♪Africa, Maloya ♪と女性コーラスが連呼する、
グルーヴィーなアフロビートの“Dodosya” とは対照的に、
マロヤ・ナンバーの“Oyala” “Ti Moon V.2” や、
ゲンブリをフィーチャーした“L'exilee” は一転してミスティックでクールな仕上がり。
その洗練されたサウンドに、思わず引き込まれます。
ラストのシークレット・トラックまで聴きどころ満載で、耳をひきつけて離さない1枚です。

Yela "MA KALOU" Yela Mizik DMC004R (2007)
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